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6月29日 ゲスト:山藤章二さん

テーマ
 “ヘタウマ文化論” ―― 山藤章二さん

 
 この日は、イラストレーター・風刺漫画家の
 山藤章二さんをゲストにお迎えして
 “ヘタ”の面白さについて語る――
 ヘタウマ文化論を展開!
 
 今回の番組ご出演をきっかけに
 初めて『課長 島耕作』を読まれたという
 山藤章二さんと弘兼憲史さんとの漫画(劇画)論も
 繰り広げられました。
 
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 ▲スケッチブックの言葉について詳しくは こちら
  (画像をクリックすると拡大します)

 
 芸能、芸術からサブカルまで席巻する
 「へタウマ文化」とは何なのか・・・?
 山藤章二さんが記した本『ヘタウマ文化論』をもとに
 「ヘタウマ」という言葉の登場や
 漫画におけるヘタウマについて語り合いました。
 



ヘタウマ 過去と今
 
 「基本は うまくなければいけません」
 
 “うまい人”=クリエーターは創造を続け、
 やがて「自分」に飽きてしまう――。
 
山藤 「うまさだけで一生食えるんだけども、
     そこで飽き足らない人たちが
     ヘタウマに挑戦するんです」

 
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 「ヘタウマ」という言葉が使われ始めた時期は?
  コピーライター・糸井重里さんが手掛けた広告で
  ウディ・アレンが毛筆で書いた「おいしい生活」――。
  山藤さんがこの文字を「ヘタだな」と指摘すると
  糸井さんは「下手だからいいんじゃないですか。
  達筆だったら誰も驚かないでしょう」
と答えたそうです。
 
山藤 「糸井重里は曲者ですから。
    
(“ヘタウマ”の)仕掛け人は
     僕の中では糸井なんですよね」

 
 “ミスター・ヘタウマ”は東海林さだおさん
  2001年まで続いた「文藝春秋漫画賞」の選考委員だった
  東海林さんと山藤さん。
 
弘兼 「東海林さんは漫画も面白いですけど
     エッセイも面白いですよね」

 
山藤 「まさに“天は二物”ですよ。
     その分、ハッキリ言うと絵が手抜きしてますね」

 
  山藤さんは東海林さだおさんを次のように評価。
  ――本来、クリエーターは経験を積めば
  どんどんうまくなるところですが・・・
 
山藤 「うまくなることを我慢してる感じがある。
     うまい絵には、
     関心はしても笑いはこないんですよ。
     漫画家は笑わせなければいけないという
     宿命がありますからね。
     絵がうまくなりすぎると困るんですよ」

 
弘兼 「たしかにギャグ漫画ですごく面白かった人達が
     だんだん描いていくうちに
     うまくなっちゃうと、ギャグ漫画としての
     面白さがなくなっちゃうんですよね」

 
山藤 「打ち融けて、笑ってもらうには
     絵はヘタな方がいいんですね」

 
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 ヘタウマが減った?!
 
山藤 「1コマで“ふふっ”と笑って
     すぐページを閉じちゃうような
     軽いユーモア、そういう場がなくなっちゃって」

 
弘兼 「東海林さん、園山(俊二)さんのような漫画が
     少なくなったというか、場がないですね」

 
  時代の流れと共に世代交代した編集者には、
  これまで“ヘタウマ”が息づいてきた
  「日本文化の流れがないのかも」
 
弘兼 「今みんな“ストーリー漫画”になっていて
     ちょっと昔の“漫画”がないのは寂しいですね」

 


『島 耕作』を読んで・・・息子さんを想う
 
山藤 「『課長 島耕作』を読み出したら
     やめられなくなった」

 
 今回の番組出演をきっかけに
 これまで“食わず嫌い”だったという劇画から
 弘兼憲史さんの代表作『課長 島耕作』
 初めて読まれた山藤章二さん。
 その感想は「すごく衝撃を受けた」というものでした。
 
山藤 「漫画というよりも“文芸”に近い。
     ものすごい情報量と、
     社内における“ハニートラップ”というのかな。
     すごいショックで、面白いな~」

 
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 山藤さんの息子さんは島耕作とほぼ同世代で
 大手企業に勤めているそうですが・・・
 
山藤 「ハニートラップに遭って、
     たぶん踏み間違えたり、失敗したりしながら
     男を磨いてるんだな、と思ってね。
     あの情報からずいぶん勉強しましたよ」

 
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▲似顔絵を描くコツは「“あだ名”を浮かべる」ことという山藤さん
  唐橋さんは「仏壇のロウソク」 弘兼さんは「コッペパン」と命名

  


雑俳句会「駄句駄句会」
 
 高田文夫さん、松尾貴史さん、林家たい平さんら
 落語好きの仲間による句会「駄句駄句会」
 山藤章二さんを宗匠として23年前に発足。
 
 「95%バカを言って、5%で句を作ってる」という
 月に一度の集まりでは
 
山藤 「せきを切ったようにバカを言い出すんです」
 
 (季語がないため本来はルール違反ですが)
 山藤章二さんの最近の傑作は・・・
 
 袋とじ 一応 開く 草食系
 
 友人の前だから
 “付き合い”で雑誌の袋とじを開くも
 “草食系”なので興味がない様子――。
 
山藤 「どこに出しても恥ずかしい句というのが 
     我々の了見なんですよ」

 
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山藤章二さんの最新情報
 
駄句だくさん(講談社)
  (発売中/2013年3月発売/税込み1,300円) 
 
ヘタウマ文化論(岩波新書)
  (発売中/2013年2月発売/720円+税) 


ペリー荻野の怪傑!暴れん坊将軍
 
 今週は、入会金3千円で専属スタイリストが
 ファッションのコーディネートをしてくれる
 阪急メンズ東京のサービス
 『スタイルメイキング クラブ』のをペリーさんがリポート。
 
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 ▲阪急メンズ東京 スタイリストの西ケ峰充宏さんと
 
 一度入会すれば以後の利用は、商品代金だけでOK。
 完全予約制で、
 予約時に欲しいアイテムの希望や用途を伝えると
 オススメ商品を用意してもらえる場合もあります。
 
弘兼 「時間がない時、いいですね」
 
 会員専用のフィッティングルーム
 実際の着用イメージがわかりやすくなるように
 屋外・屋内のシーン別に照明を変更可能。
 
 スタイリストの西ケ峰充宏さんから
 クールビズファッションをオシャレに着こなすための
 アドバイスをいただきました。
 
西ケ峰 「ネクタイを外しただけだとだらしなく見えます。
      スーツをカジュアルにして、ドレス感を落とせば
      ノーネクタイでもサマになる・・・。
      柄の調子を大きくするとカジュアル感が増します。
      綿のスーツでノーネクタイだと
      そんなに違和感はないんです」

 
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 メンズの場合、流行りの色を取り入れるよりも
 「アズーロ エ マローネ」・・・を中心にコーディネートすると
 洋服はまとまりやすくなるそうです。
 
西ケ峰 「男性は“自然の色”を取り込むことが大切。
      青い空と大地の色で洋服を組み立てると
      特に年齢を重ねた人は、
      年齢ならでは質感が出ると思います」

 
 弘兼さん向けのコーディネート
 
 西ケ峰さんに弘兼さん向けの服を見立てていただきました。
 
 テーマ“地中海”
 弘兼さんに誠実な印象があることから、
 アクセントカラーを取り入れ遊び心を注入。
 細かい花小紋柄のリネンシャツ、
 ジャケットはポップサック
(麦の袋のような膨らみ)
 通気性もよく、真っ白な綿パンツでキメ!
 白と茶のコンビで靴を合わせましょう。

 
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 ▲弘兼さんのためにコーディネートしていただきました
 
弘兼 「いいじゃないですか!」
 
唐橋 「シャツがオシャレですね。
     これは誠実に見えそうですよ!」

 
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 ▲ペリーさんの今週のTシャツは「暴れん坊将軍」
 
 阪急メンズ東京『スタイルメイキング クラブ』について
 詳しくはこちらをご覧ください。
 
 また、洋服のコーディネートを学べる
 「スタイルメイキングセミナー」も開講しています。
 


お送りした曲目
 
その名はフジヤマ / アントニオ古賀
 (弘兼セレクション)
キサス・キサス・キサス / トリオ・ロス・パン・チョス
 
ジャクソン5メドレー / ジャクソン5
 
さらばジャマイカ / ハリー・ベラフォンテ
 
愛の讃歌 / 越路吹雪
 
ライフ・イン・ア・ノーザン・タウン / ドリーム・アカデミー
 
めぐり逢えたら / セリーヌ・ディオン&クライヴ・グリフィン
 
勝手にシンドバッド / サザンオールスターズ
 (RN・タカさんが初めて買ったレコード)


山藤章二さんの名言・好きな言葉はこちらをご覧ください。
  
過去の放送レポート バックナンバー(PC版)はこちら

2013年06月29日