634

12月5日 土井善晴さんの名言

野菜の味というものは はかないものです。
そこにお肉が混じっていたら野菜の味がダメでしょ。

日本料理は、一種類だけをお料理するのが一番で
その味も、噛んで、きちっと食べることで
自分で味を探すんです。

これは“探し味”という、日本人の食べ方です。

弘兼 「たしかに、何種類もあって、
     少しずつ食べるとわからないけど
     ヒジキならヒジキだけで、ご飯一杯で食べると
     ヒジキの味って、すごくよくわかりますよね」

お肉の味はわかりやすくて、
大きな音でロックコンサートを聴くような楽しみがありますけど
野菜の味というのは“川のせせらぎ”とか“鳥のさえずり”みたいに
静かにしてないと聴こえてこないような、いい音――それと同じなんです。

日本の季節は繊細ですから、
気を付けていれば、野菜にはそういうものがいっぱいあるんです。

石川 「自分の“純粋さ”“敏感さ”を確かめることができそうですね」

そうなんです。だから“おいしければいい”いうものじゃないんです。

子供たちは、ちょっとした“苦み”とかいろんなものを感じて
いろんな“味覚”によって五感を磨くことになるんじゃないかと
思いますよね。
 

■土井善晴さんの好きな言葉

    『食べること 生きること』

食べることというのは「暮らし」そのものをつくるわけです。

今「食事」っていったら
“ご飯を食べること”だけを食事というみたいですけど
“材料を買って・調理して・ご飯を食べて・後片付けをして”
これを全部まとめて「家の食事」です。

  そういうことと「生きる」ということは同じことだと思うんです。

昔、縄文時代は“獲物をとって・協力し合って・分けて・食べて・・・”
というのが「暮らし」そのものだったと思うんです。

  弘兼 「鯛の絵を描いていただいて
       “青”を入れていただいて
       たしかにサクラダイは一番いい季節に
       青みがパッと映えるんです。
       あの青が美しい青ですからね」

天然の魚は、いろんな色があって
魚を眺めてるだけでも「きれいだな」って思えますよ。

  弘兼 「泳いでるサンマとか見たら、
       背中が本当に青くてきれいなんですよ」

  石川 「“旬”だと光り輝いて色合いも違うわけですね」

「きれいだな」と思うようなものを買っていただいたら
それは鮮度がよい証拠です。

(左)『ふだんの料理がおいしくなる理由』(講談社)
   定価:1,575円(税込)
(右)まねしたくなる 土井家の家ごはん』(講談社プラスアルファ文庫)
   定価:680円(税込)


2009年12月05日