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11月9日 ご当地ソング特集 ~ ゲスト:弦 哲也さん、溝尾良隆さん

テーマ
  『 魅力ある『まち』には いい歌がある
     ご当地ソング特集!
      ―― 弦 哲也さん、溝尾良隆さん


 「ドコモ団塊倶楽部」の音楽特集シリーズ――
 この日は日本全国“ご当地ソング”特集をお送りしました。
 
 ゲストは『天城越え』
 “ご当地ソングの女王”水森かおりさんの
 一連のヒット曲を手掛けられた
 作曲家の弦 哲也さん、
 そして、地域観光学を専門とされている
 帝京大学 経済学部 地域経済学科 教授
 溝尾良隆さん。
 (著書に『ご当地ソング賛』『ご当地ソング、風景百年史』など)

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 ▲スケッチブックの言葉について詳しくは こちら(PC版)
  (画像をクリックすると拡大します)


 ご当地ソングが多い『まち』(地域)と
 少ない『まち』――その違い、
 『北モノ』とは――?

  2度目のご出演となる弦 哲也さんは
  今回もギター弾き語りを披露してくださり
  弘兼憲史 さん大感動!

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  この日 お送りした曲目は こちら



島倉千代子さんの『襟裳岬』

 前日8日に島倉千代子さんの訃報が届きました。

弘兼 「僕らにとって島倉千代子さんは
     美空ひばりさんに次ぐ昭和の大歌手です。
     (訃報は)今朝知ったんですけど、
     ビックリしました」


 1曲目は 島倉千代子さんの『襟裳岬』
 (作詞:丘 灯至夫/作曲:遠藤 実)をおかけしました。

弦 「すごく真面目な方で、歌に対しての
    取り組み方が真面目過ぎるほどで
    悩み抜いちゃうと声が出てこない
    繊細な方でした。
    消え入るような声なんだけど、
    しっかり芯がある――。
    島倉さんのようなタイプの歌い方、
    声の持ち主は あまりいないんです」




北モノ

 溝尾良隆さんが明治以降の曲を調査した結果
 ご当地ソングは約1200曲。
 地方別で多いのは関東地方で、
 全体の3分の1を占めるのに対し
 中国・四国地方は全体の約3%――。

弘兼 「少ないですね!」

 また、北海道をはじめ『北』のまちには
 ご当地ソングのヒット曲が数多く生まれています。

溝尾 「“新婚旅行”の世界で
     ウキウキするのが『南』。
    
(北は)場合によっては旅行もするでしょうけど
     “強く生きていこう”という雰囲気だと
     『北』の方が合いますよね」


弘兼 「自然の厳しさを あえて受けようとして」

唐橋 「自分のを見つめ直すのに
     ふさわしいというか
     “自分探し”の旅に行きたくなるような
     場所かもしれませんね」


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溝尾 「哀愁・旅情は『北』という響きが
     すごく大きいですよね。
     『西』は“西方浄土”という言葉があるように
     幸せがある。
     自分を見つめ直す旅、
     何かに向かって挑戦する旅というと
     やっぱり『北』ですね」


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 『小樽のひとよ』は作曲の鶴岡雅義さんが
 “釧路”で見た風景をもとに曲を作り、
 “小樽”の地で作詞を依頼。

 当初『粉雪のラブレター』のタイトルで
 準備されましたが、小樽の人々から
 「曲名に『小樽』を入れてほしい」と依頼され
 結局『粉雪の~』『小樽の~』で同時発売に。

 全国的にヒットしたのは『小樽のひとよ』でした。

弘兼 「“小樽”って
     石原裕次郎さんの曲もありますし、
     “旅情を書きたてる地名”って
     あるんでしょうね」


 作詞は池田充男みつおさん。

弦 「池田さんはたぶん、作品の半分は
    北国の歌じゃないですかね。
    よく作詞家で
    『“北モノ”を書かせたら、あの人だね』
    という言い方があります」




ご当地ソングが少ないまち

 大都市でありながら“ご当地ソング”が
 少ないまち――『名古屋』

溝尾 「戦後、素晴らしい都市計画に基づいた
     街を作ったんです」


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 クルマ社会の発達を目指し
 碁盤の目のように区画された名古屋に対して
 “ご当地ソング”の歌謡曲で歌われるのは
 「ザワザワした まち」が多いようです。

 この話題が弦 哲也さんの心に火をつけた!?

弦 「“歌作り屋”にとっては
    歌がない街――、
    『じゃあやってみろうじゃないか!』と
    意欲が湧いてきました。
    ワクワクしてきましたね(笑)」


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唐橋 「代表的な場所がなくても、
     その土地のうまいもので
     作れたり・・・
(しないですか?)


弘兼 「うまいものって“哀しさ”がないですよね」

唐橋 「そうか(笑)」

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弦 哲也さんのギター弾き語り

 弦 哲也さんの生歌で
 『小樽運河』をお聴きいただきました。

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 (画像をクリックすると拡大します)



溝尾良隆さんの本

 『ご当地ソング、風景百年史』(発売中)
   (原書房/2,000円+税/2011年4月発売)

 詳しくは 原書房のサイトをご覧ください。

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ペリー荻野の怪傑!暴れん坊将軍

 この日は新撰組局長・近藤 勇の生まれた日。
 そこで今週はペリー荻野さんが
 近藤 勇ゆかりの地模様をリポート!

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 近藤 勇は1834年(天保5年)
 武蔵国多摩郡上石原村(かみいしわらむら)(現在の東京都調布市野水)
 豪農・宮川久次郎の三男として誕生。

 ペリーさんが最初に向かった近藤 勇の生家
 調布の飛行場に隣接。
 昭和18年の戦時中に屋敷は取り壊され
 現在、その生家には産湯に使われた
 井戸が残っています。
 (現在、井戸は使われてはいません)

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 (画像をクリックすると拡大します)

 調布市の西光寺 仁王門の左側には
 腕をくんで座っている近藤勇坐像があります。

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 ▲調布市郷土博物館 学芸員の金井安子さんに
  ガイドをしていただきました

 近藤 勇は新撰組として京都へ行ってから
 故郷の人たちに数多くの手紙を書いて
 送っていたそうです。

金井 「多摩の人たちはは村のお殿様よりも
     いち早く京都の情勢を知っていた
     ――ということになりますね」


 最後に学芸員の金井さんと一緒に、
 近藤勇の胸像とお墓がある龍源寺(三鷹市大沢)へ。

 近藤勇は板橋宿で処刑されましたが
 勇の遺体を甥の勇五郎たちが引き取り、
 勇以降の近藤家の人たちが眠る
 お墓がたてられました。

金井 「龍源寺のすぐ近くを流れる野川にかかる
     相曽浦橋あいそうらばしのところで宮川家の人たちが
     勇の遺体を迎えたと伝わっています」
 

 ※近藤勇の墓は全国各地にあります

荻野 「龍源寺の門前には胸像・石碑もありますし
     これを読むと新発見もあります。
     調布はおそばもおいしいですし
     近くを歩くと楽しいと思います」



お送りした曲目

襟裳岬 / 島倉千代子

秋吉台 / 水森かおり

柳ヶ瀬ブルース / 美川憲一

小樽のひとよ / 鶴岡雅義と東京ロマンチカ

女ひとり / デューク・エイセス

港が見える丘 / 平野愛子

石狩挽歌 / 北原ミレイ

有楽町で逢いましょう / フランク永井

ちゃっきり節 / 市丸

小樽運河 / 弦哲也 LIVE!!

北の旅人 / 弦哲也

みだれ髪 / 美空ひばり

ふりむかないで / ハニー・ナイツ

天城越え / 弦哲也

くまモンもん / 森高千里

石狩挽歌 / 北原ミレイ

異邦人 / 久保田早紀
 (RN・プラリンさんが初めて買ったレコード)


弦 哲也さん、溝尾良隆さんの名言・好きな言葉はこちらをご覧ください。

 弦 哲也さんの前回2010年7月10日の
 放送リポート好きな言葉も ご覧ください。

過去の放送レポート バックナンバー(PC版)はこちら

2013年11月09日