林家正蔵のサンデーユニバーシティ

文化放送

毎週日曜日7:30~8:00

11月30日(日)関心を深める時

今週も、

城西国際大学 国際人文学部 客員教授、

鈴木崇弘(すずき・たかひろ)先生の授業。

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今回は、昨今、議論が続けられている

日本国憲法に関する考え方から授業が始まりました。

このところの議論は、

特定秘密保護法の施行を目前に控えていることや、

集団的自衛権の行使容認問題が契機となっていますが、

そもそも、

作成されて70年近くが経過している憲法について、

社会や世界の変化に適合しているか再度考え、

見つめ直すのに、

良いタイミングなのではないかと、

先生は仰います。


現行の憲法が、

連合国軍 最高司令官総司令部 ( GHQ ) の草案をもとに

作成されたものであり、

日本国民が自分たちで作り上げ、手にしたものではないという歴史から、

 ' 改正 ' すべきと主張する人たちも居ますし、

内閣総理大臣も政権も、

そして、市民生活のルールである法律も、

全てが憲法の下に位置し、

憲法こそ絶対的に守るべき対象だと主張する人たちも居ます。


鈴木先生が仰るように、

「憲法を変えなくてはならないような状況に至った時に備えて、
 
 国民が議論を重ねることが大切。

 改憲した場合、国民が如何なる影響を受けるのか、

 政治家は国民に伝え、

 国民は、それを考え、理解し、意思表示をしなくてはならない。」 ― 

難解であっても無関心を脱し、

1人でも多くの人が関心を深めることで、

政治家の間違いを正して行くしかありません。


政党同士、候補者同士、

お互いの足を引っ張り合うだけのネガティブキャンペーンは、

耳にするほど、かまびすしいと感じる不毛なものですが、

憲法に関する議論は有益であり、

どれだけ語りつくしても、際限など、きっと無いはず。

誤った判断は、次の世代、次の次の世代へと、

雪だるま式に、その影響を残しかねません。

                 石川真紀


番組日記 | 2014年11月30日 08:00

11月23日(日)諦観よりも、意思表示を

今週は、

城西国際大学 国際人文学部 客員教授、

鈴木崇弘(すずき・たかひろ)先生の授業でした。

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政治分析のスペシャリストでいらっしゃる先生に、

今まさに関心を高めるべき時期に差し掛かっている

政治の仕組みについて、

先生自ら、主に若い世代に向けてお伝えしたいと仰る内容を

ご解説いただきました。


選挙に行っても何も変わらないのでは・・・?と、

とかく、諦観してしまいがちなのが現実。

先生曰く、

「政治は急に全てが変わるということがないので、

 絶えず考え、選び、投票し続けることが大切」とのこと。

 

例えば、アメリカの場合、政党に青年部があり、

大学生・高校生が

政治・社会について考え、行動する環境が整っていますが、

日本は、未だそこまで至っていません。

その理由として、よく、

アメリカには、民主主義や様々な権利を勝ち取ってきた歴史があるのに対し、

日本は民主主義も権利も与えられた立場にあり、

自分たちで作り上げた意識が低い為と言われます。


私自身、たびたび行われる国政選挙や地方選挙を一市民として経験し、

また、

政治家や有識者の方々のお話を伺っていて思うのが、

少しずつでも民度を上げていくことの重要性です。

投票率の低い年齢層は、高い年齢層に比べて、

政策を立案・実行する上で軽視されることとなり、

その意味で、1回1回の選挙は決して個別のものではなく、

根底の部分で連続性を孕んでいるものだと感じています。

つまり、

大義がないとか、支持する政党がないとか、

候補者をよく知らないとか、

さらには、

自分一人投票に行かなくても、何も変わらない、などといった理由で

選挙に参加せずにいると、

その次の国政選挙・地方選挙においても

政治家や関係者たちに

権利を有しながら無関心な人と捉えられ、

負の連鎖から脱する足がかりさえも、

みすみす手放してしまうことになりかねません。


政治が私たちの生活に密着していると実感できるか否かは、

自分自身の意識の持ち方次第で

幾ばくかでも好転するはずで、

1人よりも2人、10人、100人と意識を高め合うことで、

やがて、

将来には高い民度を有した、成熟した日本社会へと繋がって行くはず。

投票は、大切な意思表示なのです。

                 石川真紀

【 ON AIR MUSIC 】
 
  カリフォルニアの青い空(It Never Rains In Southern California) 
                         
                       / Albert Hammond


番組日記 | 2014年11月23日 08:00

11/23・30(日)ゲストの先生は・・・

城西国際大学 国際人文学部

客員教授  鈴木 崇弘(すずき・たかひろ)先生

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先生のご専門は、「政治・政策」です。

政治というと、客観的に見てしまいがちな部分があるかと思います。

しかし、よ~く考えると色々な面で私たちの生活に密着していることがわかります。

 

皆さんは、どこまで関心を持っていますか?

政治離れを脱却すべく、私たちがどのようにして関わっていけばよいか、もう一度考えてみましょう。


| 2014年11月17日 08:00

11月16日(日)向いていることか?やりたいことか?

今週も、

城西大学 経営学部 助教、

千葉佳裕(ちば・よしひろ)先生の授業。

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現在、城西大学陸上部の監督もお務めの千葉先生は、

奥さまである400mハードルの女子日本記録保持者、

久保倉里美選手のコーチとして、

10月に開催された仁川アジア大会2014へ同行。

日本の陸上チームは、

過去最多のメダルを獲得する快挙を達成しました。

それでも、

目標はより高い所に設定していらしたとのことで、

お話を伺いながら、

正蔵師匠ともども、志の高さに感服しきりです。


先生曰く、ハードル選手に向いているのは、

まず、アキレス腱が長い人。

さらに、

手足も長い方が、空中でバランスを取りやすく、

姿勢も良いということが、

好条件として挙げられるそうです。


この時季、既に高校生のスカウトは終了していて、

短距離などの選手だった人物を、

これからハードルの選手へ育てる、というケースも。

日本代表選手を輩出することが目標と仰る千葉先生の指導方針は、

「やりたい人がやる。やりたくないなら、やるな。」と、

実に明解です。

例え、自分から志願した競技でなかったとしても、

先輩の背中や、他チームの選手たちの闘いぶりを見ているうちに、

気持ちが自然と向いていくことも少なくないのだとか。


出会うきっかけも、続ける理由も様々で、

でも、

恨みっこなしに試し合あって、記録で勝負する。―

厳しさとドラマが共存する陸上競技の世界には、

人々を惹きつける魅力が無限に息吹いています。

                 石川真紀

【 ON AIR MUSIC 】
 
  What You Won't Do For Love ~ 風のシルエット ~ / Bobby Caldwell


番組日記 | 2014年11月16日 08:00

11月9日(日)無になる。

今週は、

城西大学 経営学部 助教、

千葉佳裕(ちば・よしひろ)先生の授業でした。

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先生は、男子400mハードルの元選手で、

自己ベスト48秒65という日本歴代7位の記録を保持。

現在は、コーチング学をご専門とされ、

城西大学陸上部の顧問・監督をお務めでいらっしゃいます。


ハードル競技と出会ったのは、

少年野球で、勝敗のかかった最終回、外野フライを落球し、

サヨナラ負けを喫したことが契機となったというエピソードを

明かしてくださったほか、

もともとは弱い心と闘っていらしたという、

他人に語るには、かなりの勇気を要する思いも話してくださって、

千葉先生という人物の

実に人間らしい部分が浮き彫りとなりました。


陸上競技に限らず、

スランプや挫折は、

生きている間、付き合わざるを得ないモノでもあります。

日々、地道にトレーニングや準備を重ねる中で、

心は不安と自信の間を揺れ動き、

試合・本番の前日には、

その振れ幅が狭まって集中でき、次第に無になっていくのが、

1つの理想形なのだそうです。


肉体的なトレーニングをコツコツ積み重ねていると、

これだけやったのだから自分は大丈夫、

必ず成功する、勝てる、と思えるようになりますが、

そのタイミングで、

本調子が出せなかったら、とか、

今まで経験したことのない失敗をしてしまったらどうしよう、とか、

精神的に良くないイメージを抱いてしまうことで、

100%の力を出し切れなくなってしまう ―

冷静に考えると、あるいは、第三者が考えると、

しごく当然のことですが、

当の本人は、実直に取り組んでいる分、

弱い自分の存在をも認め続けていかなくてはなりません。


「やるだけやったら、あとは無になるだけで、無駄ではない」、とは、

正蔵師匠が仰るとおり。

昨日より今日、今日より明日は、

きっと強い心になっていられるよう、

今日も前を向いて。

                 石川真紀

【 ON AIR MUSIC 】
 
  My Cherie Amour / Stevie Wonder


番組日記 | 2014年11月 9日 08:00

11/9・16(日)ゲストの先生は・・・

城西大学 経営学部

助教  千葉 佳裕(ちば・よしひろ)先生

 

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 先生は、城西大学の陸上部監督・顧問をなさっていらっしゃいます。

もちろん、ご自身も陸上競技(400メートルハードル)の日本を代表する選手でした。

ハードル走は、皆さんもなんとなく経験されたことがあると思いますが、

今回は先生のアスリート時代の話や、部の選手への指導法などお話を伺っていこうと思います。


| 2014年11月 5日 18:27

11月2日(日)心が求める場所

今週も、

城西国際大学 環境社会学部 准教授、

国武陽子(くにたけ・ようこ)先生の授業。

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今回は、主に、

今年4月から、先生がゼミの学生さんたちと取り組んでいらっしゃる

千葉県山武市の早船里山での保全活動について、

伺いました。


地元の方々や、地権者の方の協力を得て、

里山を活かし、楽しみ、守る活動を展開されているとのこと。


保全活動に向けて、まず着手したのは、

どんな生物が暮らしているのか把握する実態調査だったそうで、

トウキョウダルマガエル、

ニホンアカガエル、

マムシなどの在来種のほか、

アメリカザリガニや、

サカマキガイなどの外来種を含め、

これまでに

200種ほどの生物が生息していることが確認されました。


国武先生曰く、

生物が生息する場であると同時に、

日本の自然保護の心を育む場でもある、里山。

管理体制や、安全対策を考慮すると、

時代に合わせて、

関わり方に多少の変化が生じることは避けられないのかも知れませんが、

保全の気運を保ち、向上に繋げて行く為には、

何よりも、

私たち1人1人が、

心の拠り所として意識し続けることから始まるのではないでしょうか。

                 石川真紀

【 ON AIR MUSIC 】
 
  You Needed Me( 辛い別れ ) / Anne Murray


番組日記 | 2014年11月 2日 08:00

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