林家正蔵のサンデーユニバーシティ

文化放送

毎週日曜日7:30~8:00

10月30日(日)芳香に潜む悪臭

今週は、

城西国際大学 環境社会学部 教授、

川口健夫(かわぐち・たけお)先生の授業でした。

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香りの力を応用したアロマテラピーや、

海の力を使ったタラソテラピーについて研究を重ねていらっしゃる先生に、

今回は、レモンの香りの秘密に関するお話から、

教えていただきました。

私たちが日頃、触れている飲料や食料、日用品などで、

「 レモン味、レモン風味、レモンの香り 」 と表されている商品には、

果汁が含まれているとしても、1%~3%程度。

これほど僅かな量では、レモンと認識できるほど香ることがなく、

たいていは、ゲラニアールとネラールという化学的に合成した香料が

絶妙なブレンドで加えられていることが多いのだそう。

ヒトの感覚としては、

香りを真贋ではなくイメージで、

味わったり、認識したりしている部分が大きいことが分かります。


そして、もう1つ衝撃的だったのが、

世界的に有名な香水であるシャネルの5番にまつわる秘密。

香水は、良い香りを混ぜるのが基本ですが、

そこへ、ごく僅かに、イヤなにおいを混ぜると、

素晴らしく魅力的で、より深い香りに仕上がるものだなんて・・・

しかも、シャネルの5番に加えられているイヤなにおいが、

シックハウス症候群の原因物質としても知られるアルデヒドと、

糞便の臭気であるスカトールだなんて・・・

お話を聞いていて、思わず卒倒してしまいそうでした。


イヤなにおいを最初に加えた人は、

相当の勇気と天才的な閃きとを兼ね備えた人ですし、

異質なモノ同士をブレンドすると、新しいモノが生まれるという

イノベーションの精神は、

個人や組織の成長と、集合体の在り方を考える時にも、

大いに参考になるはず。

無限の可能性から、無二の果実を結ぶ主体は、

いつの時代も人であり続けることでしょう。

                    石川真紀


番組日記 | 2016年10月30日 08:00

10/30・11/6(日)ゲストの先生は・・・

城西国際大学 環境社会学部

教授  川口 健夫(かわぐち・たけお)先生

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これまで先生には、癒しをテーマに香りの力を応用したアロマテラピーや海の力を利用するタラソテラピーに関するお話を伺ってきました。

今回は、癒しの効果の一つ【香り】についてお話を伺います。

香りというと野菜や果物、香水、人それぞれが持つ匂いなど私たちの日常はたくさんの香りで包まれていますが、その中にある秘密があるそうです。

その秘密とは・・・ 

他にも嗅覚と味覚の関係や香料の不思議も聴けちゃいます。

どうぞ、お楽しみに。

 


| 2016年10月26日 19:30

10月23日(日)制度が市民権を得るまで

今週も、

城西短期大学 教授、

蓼沼康子(たでぬま・やすこ)先生の授業。

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折に触れてご出演くださっています

おなじみ蓼沼先生と、

今回は、リスナーさんからのメールを糸口に

お話が展開しました。

テーマは、先週に引き続き、

「 仕事と家庭について 」。


お仕事も家庭生活も、

日々の暮らしの大半を占める重要な要素。

誰にとっても1日は24時間しかなく、

個人レベルで効率よくやり繰りするには限界があります。

以前は、男性が稼ぎ、女性は家庭を守るものとされ、

勤め先・組織の一員である以上、

労働者は労働条件に合わせるのが当たり前という考えが一般的でしたが、

画一的な考え方は、あらゆる面で淘汰され、

やがて、多様性を受け入れようという時代へ。

全てが劇的に改善されるのは無理だとしても、

身近な人同士、必要に応じて、

多様な生き方・働き方に前向きに対応する姿勢が、

経営側に求められています。


今朝の蓼沼先生のお話の中で、

大きなポイントと感じたのが、

制度を能動的に利用することの重要性。

企業・団体によっては、一部、

自宅勤務が認められていたり、

時短勤務やフレックス制を導入しているところも増えてきていますが、

上長の方針や周囲への気兼ねなどから、

利用実績が伸び悩んでいる場合があるそうです。

各制度は、社会が多様性を受け入れる為の手段であり、

利用者が増えることで、広く知られたり、取得しやすくなって、

市民権を得ていくもの。


社会全体が少しずつでも前進するには、

まず、私たち1人1人が自分の人生を主体的に捉えること、

その上で、

上長の意識改革や、人事担当者による選択肢の説明など、

それぞれの立場で資質向上に努めることが必要です。

                    石川真紀


番組日記 | 2016年10月23日 08:00

師匠出演・KAKUTA第27回公演 『愚図』 のお知らせ

KAKUTAの公演『愚図』が11月10日から東京・池袋のあうるすぽっとで上演されます

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 1996年に結成された劇団KAKUTAの第27回公演 『愚図』

 鶴屋南北戯曲賞受賞後初、主宰の桑原裕子による書き下ろし渾身の長編最新作です。

昨年から行なわれてきた劇団20周年記念企画の第3弾で、客演に林家正蔵師匠をはじめ、千葉雅子(猫のホテル)、今奈良孝行、今藤洋子、谷恭輔を迎えて上演されます。

今、注目を集めている劇団KAKUTA 

その中で魅せる師匠の演技にも注目したいと思います。

詳しい情報はKAKUTAのホームページをご覧ください

http://www.kakuta.tv/

 

各公演チケットのお問い合わせは下記まで

東京公演
2016年11月10日(木)~11月20日(日)全14公演
会場:東京都 池袋 あうるすぽっと
料金:一般4,800円 サービスデー4,300円 U24チケット3,000円
※U24チケットは枚数限定

■東京公演お問合わせ KAKUTA  090-6311-1996(平日12~19時)

 

豊橋公演
2016年12月13日(火)、12月14日(水)全2公演
会場:愛知県 豊橋 穂の国とよはし芸術劇場PLAT
料金:一般3,000円 U24チケット1,500円 高校生以下1,000円

■豊橋公演お問合わせ プラットチケットセンター 0532-39-3039(休館日を除く10時~19時)

 

北九州公演
2016年12月17日(土)、12月18日(日)全3公演
会場:福岡県 北九州芸術劇場
料金:一般3,500円 高校生1,000円
※高校生チケットは枚数限定

■北九州公演お問合せ 北九州芸術劇場 093-562-2655


| 2016年10月12日 18:53

10/16・23(日)ゲストの先生は・・・

城西短期大学

教授  蓼沼 康子(たでぬま・やすこ)先生

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これまで "社会の子供"としての子育てに関する見方や、社会の動きと女性の働き方など、様々な視点からお話を伺ってきましたが、

今月は『仕事と家庭を考える月間』ということで、女性の自立と働き方の多様性をテーマにお話を伺っていきます。

女性の働き方が注目されがちですが、男性の考え方に変化は出ているのでしょうか??

皆さんと一緒に考えていきましょう!


| 2016年10月12日 18:36

10月9日(日)言葉、音楽、光・・・

今週も、

城西大学 現代政策学部 准教授、

奈良澤由美(ならさわ・ゆみ)先生の授業。

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今回は、先生が博士論文のテーマに掲げた

「 キリスト教の祭壇 」 に関するお話から始まりました。

キリスト教における祭壇は、

イエス・キリスト自身を表す象徴で、

教会になくてはならないもの。

他のどの装飾よりも大切なのだそうです。

そして、

目に麗しいもの、つまり分かりやすいものは、俗世に近く危険と考えられ、

言葉、音楽、光、絵画、丸彫り彫刻の順に重んじられるのが、

キリスト教とのこと。


先生のお話の中で一段深く考える機会を得たのが、

キリスト像について。

3世紀~4世紀頃、人々はキリストの姿を描くことに慎重で、

特に、顔を描くことにためらいを覚えていたのだとか。

イエス・キリストは、ギリシャ語で神の子にして救世主=魚を意味することから、

長らく魚として描かれたり、

聖書にあるとおり、

ブドウや羊飼いとして描かれていた時代を経て、

やがて、いつの頃からか、ビザンティン帝国が、

キリストの姿として、黒髪に髭をたくわえた壮年男性のヴィジュアルを選択し、

広く知られるようになった経緯があるようです。


キリスト教美術が最初に生まれたのが、

既に、様々な神様や信教を受け入れていたローマであったことで、

それまでは偶像崇拝がタブー視されていたキリスト教も、

姿形を伴った神様が存在して然るべき、という流れになったであろうことが

納得できます。


海外の教会や聖堂を訪れる時、

まず目を奪われるのが、像や彫刻などの装飾になりがちですが、

礎を成す言葉や音楽、光の崇高さと、

しばし向き合う時間を、

信徒か否かに関わらず、大切にしたいものです。

                    石川真紀

【 ON AIR MUSIC 】
 
   Fun Day / Stevie Wonder


番組日記 | 2016年10月 9日 08:00

10月2日(日)天使からの贈り物

今週は、

城西大学 現代政策学部 准教授、

奈良澤由美(ならさわ・ゆみ)先生の授業でした。

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考古学・美術学を専門とされ、

中でも、中世美術史・キリスト教美術史を主な研究テーマに掲げて

取り組んでいらっしゃる奈良澤先生。

まずは、美術史に興味を抱いたきっかけから、お話しいただきました。

宗教美術に最初に関心を持ったのが、小学生の頃。

ご両親に連れられて、お寺に出かけた時だったそうです。

その後、専門を選択する段階に差し掛かると、

日本よりも遠い世界ゆえ、まだ知られていないことが多く、

もっと知りたいと思い、

キリスト教美術の道を選んだと、振り返ります。


生涯をかけて追究したいと思える道に巡り合い、

志を抱き続けることは、

この世に生を受けた大きな意味であり、

何より幸せなこと。

殊、宗教美術という学術分野の特性上、

知れば知るほど、

学び得たことを自分自身の生き方や周囲との共生に反映できると想像すると、

道の選択は必然、かつ、その人にとって必要なことと感じます。


初期の頃は、翼などない普通のオジさんだったのが、

やがて、

翼のある女性、頭上の輪と翼を兼ね備えた子どもへと変遷した「 天使 」の表現、


そして、

先生の博士論文のテーマであるキリスト教祭壇が、

モノリス(一枚板)の石である必要性・・・


日常生活では触れる機会の少ない事柄であったとしても、

このタイミングで、こうしたお話を耳にしたということ自体、

天使がくれたギフトであるはず。

知らなかったこととの出会いが、

今の暮らしを、より輝かせてくれそうです。

                    石川真紀


番組日記 | 2016年10月 2日 08:00

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