林家正蔵のサンデーユニバーシティ

文化放送

毎週日曜日7:30~8:00

3月29日(日)大病の成因

今週は、

城西大学 薬学部 准教授、

野部浩司(のべ・こうじ)先生の授業でした。

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生理学・薬理学がご専門の先生に、

今回は、

糖尿病が引き起こす合併症の危険性について、

お話しいただきました。


糖尿病と確定診断された患者数は、

全世界で、およそ3億8000万人。

人数では、人口の多い国が上位を占めますが、

日本の場合、比率が高めで、

これまでも、そして現在も直面し続けている問題の1つです。


自覚症状がなく、

酷くなって大きな問題が出るまで放置されがちですので、

定期的に血液検査を行い、

基準値の範囲内で、自分がどの水準なのか、正確に知り、

適切な対策をとることが重要なのだそうです。


糖尿病、という病名から、

尿検査で病の有無が診断されると思われることも多いようですが、

実際には、

血液や血管に、じわじわと支障をきたし、

やがて、

大きな病気を引き起こす成因となるおそれが。


予防の為には、

自分の体が、どんな性質・特徴を持っていて、

身についた生活習慣と合っているのか、無理は生じていないか、

出来るだけ早めに知って、

食事と運動を少しずつ改善することが大切とのことです。

                  石川真紀

【 ON AIR MUSIC 】
 
  Green River / Creedence Clearwater Revival


番組日記 | 2015年3月29日 08:00

3/29・4/5(日)ゲストの先生は・・・

城西大学 薬学部

准教授 野部 浩司(のべ・こうじ)先生

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先生のご専門は、生理学・薬理学です。

現在は、糖尿病および生活習慣病における組織異常の解明を中心に研究をされています。

世界的に見ても患者数の多い、糖尿病。これが原因でおこる合併症が後々個々の生活を脅かすことになります。

自覚症状がないので、早期発見には『健康診断』が欠かせません。

では、その合併症について、またどういった対策をしていけばよいのか、先生に聞いてみましょう!


| 2015年3月23日 08:00

3月22日(日)人の輪・人の和

今週も、

城西国際大学 福祉総合学部 助教、

倉持陽子(くらもち・ようこ)先生の授業。

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現在は、主に介護保険制度によって受けられる

様々なサービスなどを研究されている倉持先生。

介護福祉士の教育にも携わる中で、

学校の授業やテキストだけでは身につかないことの多さ、

そして、

介護職に求められる資質が多様であることを、

日々、実感していらっしゃる様子です。


介護をお受けになる当事者 ( ユーザー ) は、

現状や症状を訴えにくい場面が多く、

その分、介護職の立場としては

ユーザーの本音・真意を代弁できる人でありたいと

お感じになっているのだそうです。


また、団塊世代が75歳を迎える2025年には、

高齢者数がピークに差し掛かると見込まれていて、

地域包括ケアシステムの構築が

官民それぞれのアプローチで進められています。

医療・保険・福祉といった専門職によるフォーマルなサービスと、

家族・隣近所・ボランティアによるインフォーマルな支援を

組み合わせたシステムが、

理想的かつ現実的で、

ケアマネージャーがコーディネートを請け負う形をとります。


先生のお話を伺っていて強く感じるのが、

地域での人間関係の重要性。

慣れ親しんだ環境で長く暮らしたいし、

しかも、人様に迷惑をかけたくないというのは、

きっと多くの人々が願うこと。

何か起きてからでは、

慌てたり、焦ったり、判断を誤ったりしてしまいがちですが、

何か起きることを想定して、

身近な人と、今できる備えを話し合い、

できることから着手することが大切です。

備えることで、

介護予防や、健康寿命を伸ばす努力など、

そうならない為に出来ることも分かってきます。


まさに、正蔵師匠が仰っていたとおり、

「人の輪・人の和が予防に繋がる」、ということですね。

                  石川真紀


番組日記 | 2015年3月22日 08:00

3月15日(日)'100%'に近づける為に

今週は、

城西国際大学 福祉総合学部 助教、

倉持陽子(くらもち・ようこ)先生の授業でした。

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高齢者福祉がご専門で、

訪問介護やケアの本質についてご研究中の先生に、

介護の基本と現状について、お話しいただきました。

 

介護職において、

最も所持が望ましいのが、介護福祉士の国家資格とされますが、

訪問介護をする為のホームヘルパーの資格を取得し、

働き始める例が多いのが実情なのだそうです。

他方、施設勤務の場合は資格がなくても働くことが可能で、

働きながらスキルアップを目指す方もいらっしゃるとのことです。

また、看護師は医療資格で、

介護士には制限されている医療行為を請け負いますが、

現在は、痰の吸引など一部の医療行為について、

所定の研修を受けることで

介護士も行うことが出来るようになっています。


介護の現場では、慢性的に人材不足で、

しかも勤続が難しいのが実情とのこと。

社会福祉士、及び、介護福祉士法が施行されたのが1987年(昭和62年)で、

従来からのヘルパーさんに活躍していただきながら運営してきたものの、

需要に供給が追い付いていません。

さらに、

少ない人数の介護職員で大勢の利用者に対応せざるをえない中、

人対人という実情に沿った個人の能力が求められる為、

その大変さは、想像を遥かに超えます。


世界的に未踏の高齢化社会へ突入している日本は、

その対策と現状について、諸外国から注目されています。

介護は、お受けになるご本人とそのご家族の為にあり、

どのように自分らしい生を全うし、

家族が受け止めているのか、

介護を提供する側と受ける側双方が納得した形は

百人百様という特性が。

もしかしたら、

100%納得できるということは難しいのかも知れませんが、

だとすれば、

どんな状況にあっても相手への敬意と感謝を忘れず、

共に分かち合う思いで居られたなら、

' 100% ' に

幾ばくか近づくことができるような気がしています。

                  石川真紀


番組日記 | 2015年3月15日 08:00

3/15・22(日)のゲストの先生は・・・

城西国際大学 福祉総合学部

助教  倉持 陽子(くらもち・ようこ)先生

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先生のご専門は、高齢者福祉です。

我が国の少子高齢化に伴い、色々な対策がなされている中、介護保険制度も状況に合わせ法改正が進んでいます。

そんな中、高齢者の生活支援の大きな支えとなる「介護福祉士」の存在は大きいですね。

ホームヘルパーという言葉でよく聞きますが、支援の必要な方に対してまだまだ人数が足りていないのが現状のようです。

その仕事内容、皆さんはどこまでご存知ですか?

改めて、介護福祉士・ホームヘルパーの仕事について伺っていきましょう。


| 2015年3月 9日 08:00

3月8日(日)答えは1つ?

今週も、

城西大学 理学部 教授、

神島芳宣(かみしま・よしのぶ)先生の授業。

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先週に続く、トポロジーのお話の中で先生が仰ったのが、

「トポロジーの感覚は、もともと私たちが持っていて、

 何かの契機で閃くのでは」ということ。

例えば、自転車。

車輪が四角や三角だったら平らな道を走行することができず、

経験的に丸い車輪が一番良いことを、私たちは知っています。

自転車の車輪は丸、というように、

' それしかない ' と説明するのが、

自然科学、トポロジーの考え方なのだそうです。

難解ではありますが、

感覚的に持ち合わせているものと分かると、

トポロジーなるものが、少しは身近に感じられます。


続けて、頭の体操となりましたのが、

三角形の内角の和は、180°?というもの。

平面に描かれた三角形は、

辺が直線ですから、内角の和は必ず180°になりますが、

地球儀のような球面に三角形を描くと、

辺は放物線、つまりカーブになりますから、

内角の和は180°より大きくなります。

逆に、内側にカーブした双曲線で三角形を描くと、

内角の和が180°より小さくなり、

漸近線として果てしなく辺を伸ばすと、0°になることも。

先生のお話を伺っているうちに、

遠い昔、学校時代に撫でた記憶が蘇ってきました。


私たちは一般的に、中学・高校の数学で

三角形の内角の和が180°という、

いわゆるユークリッド幾何学をもとに学びますが、

神島先生曰く、

「そろそろ、中学・高校でも球面幾何をやってみては?

 様々なアイディアを持った人が育つはず」。


正蔵師匠も仰っていましたように、

答えが1つではなく、幾つもあるということ、

そして、

常識と思っていたことが

常識ではないこともあると知ることの意義を感じます。

学校の限られた学習時間内で、

生徒全員が平均的に理解するのが難しい内容も多いと思いますが、

興味・好奇心を示す生徒さんには

先生が他の見方も教え示してあげられるような、

1人1人と向き合う教育がかなうと良いのでしょうね。

                  石川真紀

【 ON AIR MUSIC 】
 
  Respect / Aretha Franklin


番組日記 | 2015年3月 8日 08:00

3月1日(日)異次元への入り口

今週は、

城西大学 理学部 教授、

神島芳宣(かみしま・よしのぶ)先生の授業でした。

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幾何学、トポロジーがご専門の神島先生に、

空間形問題の入門のお話を聞かせていただきました。

以前、同数学科の高山 晴子先生にも教わった

コーヒーカップとドーナツ面の代表例で知られるトポロジー、

ご記憶の方、

よく理解していらっしゃる方も多いことと思います。

正蔵師匠と私は・・・

神島先生や高山先生を、想像以上に困らせてしまったことでしょう。

そんな私たちに授業してくださった両先生に、

この場をお借りして、御礼申し上げます。

このご縁を、これからも宜しくお願い致します。


私のような凡人には理解しがたい分野を究めていらっしゃる

神島先生。

そもそも、トポロジーに興味を抱いたのは、

1971年に大学へ入学された当時、

何か楽しいことはないかと探している途中、

大学生協の書店で最初に手に取ったのが、

「トポロジー」と書かれた書物だったから、なのだそうです。

あれから40年以上の時を経て、

理解が深まる面が増えるのと同時に、

疑問点も増え、

益々わからなくなる、と、

先生は仰います。


1つの道を究めるということは、

つまり、そういうことなのでしょう。

1人1人、それぞれの持ち場で、

ひたむきに、真摯に取り組んでいると、

これがゴールと思った瞬間に次のスタートがやってきて、

気づいた時には、きっと、

その人にしか見えない景色が広がるもの。


そして時には、

自分の生業、専門分野と異なる世界の話に耳を傾けることで、

普段は使っていない脳が活性化され、

本業に結びつくヒントが得られることも。

サンデーユニバーシティが、そういう場であることを

再認識するひとときでした。

                  石川真紀


番組日記 | 2015年3月 1日 08:00

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