林家正蔵のサンデーユニバーシティ

文化放送

毎週日曜日7:30~8:00

3月30日(日)木を見て森を

今週は、

城西大学 経済学部 准教授、

末永啓一郎(すえなが・けいいちろう)先生の授業でした。

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経済開発論、アジア経済がご専門の先生に、

今般のTPP ( =環太平洋経済連携協定 ) 交渉を含む

各国間の交渉の歴史を踏まえて、

解説していただきました。


数百年の長きに亘り、国際的に行われてきた貿易自由化交渉。

資源が乏しく

国土の小さい日本の立場としては、

自国の産業の保護と発展を優先しつつ、

相手国にも利する形の模索を重ねてきた歴史が、

今も継続しています。


現代の産業界では大きな革新が進み、

分業化の波にさらされている分野も。

例えば、IT関連事業では、

巨大な装置を設置し、原材料を自社調達によって賄う、

いわゆる垂直統合型への移行が進み、

他方、自動車産業では、

部品を分けにくいことから分業がしづらい為、

国際競争力を保ちやすいのだそうです。


日本の産業が抱えている課題は、

世界の縮図であり、

やがて各国・各地域が立ち向かう可能性のある問題でもあります。


増大する諸問題全体を理解し、適切な対策を講じる力を養うべく、

末永先生の授業では、

ご当地、坂戸の休耕地を活用して

酒米や、ルッコラ、小麦を栽培。

さらには、

作物を使った坂戸担担麺の販売や、葉酸プロジェクトも進行中なのだそうです。


全体を知るには、1つ1つを知ることから ― 


次回は、先生と共に学ぶ学生さんたちにもご登場いただき、

実践授業の感想をお聞きします。

                  石川真紀

【 ON AIR MUSIC 】
 
  My Sweet Lord / George Harrison


番組日記 | 2014年3月30日 08:00

3/30・4/6のゲストの先生は・・・

城西大学 経済学部

准教授 末永 啓一郎(すえなが けいいちろう)先生

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先生のご専門は経済開発論・アジア経済。

グローバルが進む中、日本の産業がどのように経済発展を支えてきたか。

現在、揺れるPTTを座学だけでなく、実体験を通して考えて見ましょう。

 


| 2014年3月24日 08:00

3月23日(日)分かち合うことの意味

今週も、

城西国際大学 福祉総合学部 教授、

石田路子(いしだ・みちこ)先生の授業。

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今回も、主に認知症について、教えていただきました。

 

認知症に関する各推計で上位を占めるケースが多いのが、

日本を筆頭に、アジアの各国・地域。

アジアに共通する家族主義により、

親の世話を子どもが担ってきたことが一因となり、

認知症が進行してしまったケースが多いのでは、と

先生は仰います。

厚生労働省研究班によりますと、

2012年時点で、およそ462万人、

65歳以上の4人に1人は、いわゆる ' 予備軍 ' とされる

認知症。

必要以上に忌み嫌うことを避け、

防ぐ努力が求められる時代を、

私たちは生きています。


石田先生のお話から、

認知症の予防として、ヒントとなりそうなポイントを。

①肉体的に健康を保つこと

②好奇心旺盛であること

そして、

③前向きに進んでいける姿勢を身に着けること


私は、このままでいい、とか、

考え方、行動範囲を凝り固まらせないように努めることで、

認知症の自己制御に繋がる傾向があるようです。

 

他方、推進されているのが、

医療関係者の意識改革とのこと。

厚生労働省は、平成25年度から29年度にかけて、

認知症施策推進5か年計画 ( オレンジプラン )に取り組んでいます。

しかし、このオレンジプランも、

成年後見制度の普及も、

具体的な施策が難しいのが現状なのだそうです。


個人差、地域差など、

ケース1つ1つによって差異の大きいものであるということは、

本人の年齢や、家族構成、環境など諸条件をもとに

象徴的な複数のモデルケースを設け、

いざという時に、どこへ問い合わせて、どんなケアを受けられるのか、

選択肢を知っておくのも、

一種の方法なのではないかと感じています。


人生の幕を引く大切な時期に、

その人らしい過ごし方に少しでも近づく為にも、

何でもない普段から

身近な人とあらゆることを共有できるのは

幸せなことなのかも知れません。

                  石川真紀


番組日記 | 2014年3月23日 08:00

3月16日(日)変化と想定

今週は、

城西国際大学 福祉総合学部 教授、

石田路子(いしだ・みちこ)先生の授業でした。

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先生のご専門分野である医療福祉の中から、

親の介護、介護保険について、教えていただきました。


世界に冠たる長寿国として知られる、日本。

高齢化の実態が予測を上回る速度で先行し、

手当てを急がざるをえない実情を体験しながら、

やがては世界に模範例を示していく立場でもあります。

先生のお話には、

①家族で背負い込まないこと

②行政の窓口に、前もって出向くこと

一方で、

③医療福祉を担う人材・施設の絶対的不足は解消されていないこと

など、

知っておきたい情報が、幾つも盛り込まれていました。


例えば、認知症。

まだまだメカニズムが解明されていない中ではありますが、

放置すると重症化する恐れが指摘されています。

認知症かどうかの判断が難しく、

家族は特に変化に気づきにくいことから、

自分自身で定期的に簡易チェックをしつつ、

身近な人が、ささいなことでも異変を感じた際には、

すぐ、医療機関を受診し、

適切な診断・治療を受けるよう奨励されているそうです。


また、介護保険制度についても、認識不足が否めません。

施行されたのが2000年と、相当の年月が流れていますが、

申請して、すぐ適用になるものではなく、

審査を経て、判定結果が出るまで、

平均的に、およそ1ヶ月程度かかるとのこと。

訪問調査の際など、本人の症状が一時的に良くなるケースもあり、

判定が難しいのだそうです。


加齢に伴う体調の異変や病、災害など、

私たちは、様々な変化に直面することがあります。

そうした変化が、他の変化を次々と引き起こすことで、

ストレスが倍増し、

許容範囲を超えてしまうことが考えられます。

心と体を、少しでもストレスから守る為に、

変化を想定し、

出来ることは今からでも始めておけたらと思います。

                  石川真紀

【 ON AIR MUSIC 】
 
  遥かなる影( Close to You ) / Carpenters


番組日記 | 2014年3月16日 08:00

3/16・23(日)ゲストの先生は・・・

城西国際大学 福祉総合学部

教授 石田 路子(いしだ・みちこ)先生

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先生のご専門は、地域医療福祉やコミュニティ医療福祉システム研究。

福祉の話はこれまでも色々な視点からお話を伺って来ましたが、今回はどんな面からのお話が聴けるのでしょうか?!

高齢化社会が進む中、様々な病気に私たちがきちんと向き合って行くことが必要とされます。

 

皆さんも一緒に考えてみましょう。


| 2014年3月10日 08:00

3月9日(日)見守る、から、監視へ

今週も、

城西大学 現代政策学部 教授、

倉成正和(くらなり・まさかず)先生の授業。

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情報技術の革新は、

現代社会に利便性と危険性の両方をもたらし、

パソコンなどを直接、使用しない人も関わる問題となりました。


防犯カメラや監視カメラが街中に設置され、

しかも、その精度は向上。

携帯電話やスマートフォンのGPS機能によって位置情報が、

クレジットカードや、あらゆるプリペイドカードの使用によって

行動に関する情報が、

広く知られうる社会。

私たちが日常生活を送る上でプライバシーを守るには、

先生曰く、例えば、

目出し帽をかぶり、

電波を発するものは所持せず、

現金のみを使用すること -

これらの方法も、

専門の政府機関や考え方によっては

もはや意味をなさないのでしょう。


国内外を問わず、

豊かな大自然の中で

数少ない住民同士、助け合いながら地道に暮らしている所では、

今も、

「 お互いを見守っているから、悪いことはできないし、

  悪いことをする人は居ない。 」と聞きます。 


見守る、が、監視、になった途端に疑念を生み、

群衆に紛れることで、目が届かなくなるもの。


1つ1つの家庭や、職場、学校、町内など、

そのコミュニティを構成する1人1人が意識を高く保つことで、

まずは、

自分たちの行動範囲の秩序を守っていきたいものです。

                  石川真紀

【 ON AIR MUSIC 】
 
  Best of My Love / Emotions


番組日記 | 2014年3月 9日 08:00

3月2日(日)加速する技術革新に思うこと

今週は、

城西大学 現代政策学部 教授、

倉成正和(くらなり・まさかず)先生の授業でした。

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先生がMIT=マサチューセッツ工科大学に留学され、

AT&Tの分割・民営化について研究されていたのが

1970年代。

以後、現代に至るまでの40年ほどの間に、

日本の情報技術も後発ながら目覚ましい進歩を遂げています。

しかし、一般的な市民レベルの生活を軸に考えますと、

どこかのタイミングで、

情報技術の前進する速度が

私たちの思考や心が追いつけるスピードを遥かに上回り、

追い抜かれ、置いてきぼりになった感が否めません。


9.11の同時多発テロに見舞われたアメリカでは、

直後に愛国者法が発効され、

テロの防止に繋がりうると判断される場合には

捜査令状なしに監視可能な社会となりました。

重大な事件の防止・抑止に繋がるのであれば、

あらゆる可能性を視野に捜査を行うのが、

国民の生命・財産を守る国家の大義だという理屈は理解できるのですが、

個人情報の流出や、職域を超えた情報の使用、誤認逮捕など、

国民を傷つける可能性も伴うだけに、

不安は消えません。


情報技術の革新競争が時を重ねるほどに加速し、

しかも、そうした競争の終わりが見えない現代に生きる者として、

一方で、

教育や倫理的思考の大切さを見直し、実践することも重要。

様々な流行や商法が、発起しては消える中、

時流を超えて変わらない真実を、

周囲の人たちと共有し、次の世代へ伝えていくことこそ、

私たち市民の矜持なのかもしれません。

                  石川真紀


番組日記 | 2014年3月 2日 08:00

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