林家正蔵のサンデーユニバーシティ

文化放送

毎週日曜日7:30~8:00

5月1日(日)日本の宝

今週は、

城西国際大学 観光学部 助教、

于 航(う・こう)先生の授業でした。

uu02-thumb-240x240-75549.jpg

 

 

 

 

 

 

 

 

 

中国・吉林省長春市ご出身の于先生。

現在は、温泉地・観光地のご研究、

中国人観光客の動向と誘致についてのご研究を進めていらっしゃいます。


まず印象的だったのが、観光という言葉の語源。

もともと中国の易経に記載されていた言葉で、

端的には、' 国の光を見ること ' を意味します。

' 光 ' というのは、優れているところ、宝物を指し、

' 観 ' の字は、

本来は、示す、見せてあげる、ということを意味しているのだそう。

観光は、訪れる側が能動的に行うものだとばかり思っていましたが、

受け入れる国・地域の姿勢が根底をなすものだということを知ると、

日本が誇る ' おもてなし ' の精神を、

より一層、理解できそうです。


訪日外国人観光客のトップは、

1位・中国、2位・韓国、3位・台湾と続き、

中でも中国からの観光客は、2011年時点で100万人だったのが、

2015年には499万人を超え、

ビザの緩和などによって

この4年程の間で5倍に増えています。


中国から日本を訪れる観光客には、リピーターも多く、

その理由は、価値ある3つのCとして説明されるとのこと。

3つのCとは・・・

①character ( 気質 )
   
  中国にかぎらず外国人の目には、

  日本人は神秘的で不思議な気質を持った人たちだと写っているそう。

  例えば、満員電車で静かに乗っていたり、

  震災の時でも整然・毅然とした態度が世界に発信されたことなどから。

②creation ( 作品 )

  made in Japanの日本ブランドを信頼してくださっているのだそう。

  爆買いの象徴である炊飯器は、性能が良く長持ちするからと・・・

  自分で使う分以外に、家族や友人・知人の分も買っていたのは、

  そういう理由だったのですね。

  近頃では、中国で日本のお米を炊いて召し上がる機会も増えたそうで、

  嬉しいことです。

③common life ( 日常生活 )

  日本の普段の生活の、ちょっとしたことを経験できることが、

  そのまま観光になるのだそう。

  特に2回目以降の再来訪者に人気で、
 
  民泊や、畳部屋のある旅館を希望する方も。  
  

日本でしか得られない特別なもの、

それは、

日本に暮らす私たちにとっては、当たり前の日常ばかり。

自分たちだけでは、自分たちの宝に気づかなくても、

観光客の皆さんが鏡となって、

その魅力を映し出しくれています。

                   石川真紀


番組日記 | 2016年5月 1日 08:00

≪ 4月24日(日)流れの方程式 | 番組日記 一覧 | 5月8日(日)旅する生命 ≫

Copyright © Nippon Cultural Broadcasting Inc.All right reserved.