林家正蔵のサンデーユニバーシティ

文化放送

毎週日曜日7:30~8:00

9月18日(日)ロビーから広がる世界

今週は、

城西国際大学 観光学部 客員教授、

梅原一剛(うめはら・いちごう)先生の授業でした。

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長年に亘り、土地開発の分野で活躍され、

現在は、ホテル業界活性化に向けて、

人材育成に勤しんでいらっしゃる先生に、

ホテル業界をめぐる現状と課題について、

教えていただきました。

 

「足し算でなく、かけ算。1つミスをすると、0になる可能性がある。」

梅原先生が仰った、ホテルのお仕事を象徴的に表す表現です。

他の商品・サービス・おもてなしが、

ほとんど満足できるものであったとしても、

何か1つ、利用客が不満と感じた場合、

全てが台無しになってしまう。

つまり、そこで働く人材全てに素晴らしさ、完璧さが求められ、

組織として全員が良くあるべきなのが、ホテルだということ。

利用客にとって非日常であるホテルでの時間が、

ホテルで働く方々にとっては日常であり、

いかに厳しい世界であるかが端的に窺えます。


世界的に見て、日本のホテルの位置づけが決して高くない現状においては、

訪米に倣って運営上のビジネスモデルを設け、

ムラのない全体的なレベルアップを図ることが求められているのだそうです。


そして、日本の国民にとってもう1つ大きな課題と言えるのが、

ホテルを文化の中枢に位置付けていくこと。

アメリカ・ニューヨークのプラザホテルや、

シンガポールのラッフルズホテルのように、

その街に暮らし、滞在する人々の生活の一部に存在し、

その街全体の魅力を向上させるのが、

文化としてのホテルです。

私たち日本人にとって、ホテルはとかく敷居が高く感じられますが、

先生が学生さんへのアドバイスとして仰ることを参考に、

まずは、ホテルのロビーに身を置いて、

人間観察をしてみたり、多様な物語に触れてみたりすることで、

自分自身の視野と世界を広げる契機となるのではないでしょうか。

                    石川真紀

【 ON AIR MUSIC 】
 
   What a Wonderful World ( この素晴らしき世界 ) / Louis Armstrong


番組日記 | 2016年9月18日 08:00

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