林家正蔵のサンデーユニバーシティ

文化放送

毎週日曜日7:30~8:00

12/19(日) 日曜の朝から難しい話は・・・

土屋高宏先生は、「統計学」や「多変量解析」の理論を
専門に研究していらっしゃいます。

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「具体的に、研究室では、どのようなご研究をされている
 のですか?」と伺うと、
先生は、「待ってました!」と言わんばかりにニコニコしながら
〈トランプのカード〉を持ち出されました。


『日曜の朝から難しい話は、ナニでしょうから、今日は、
 このトランプのカードを使って私の最近の研究を1つ
 紹介したいと思います。』

(先生!そうこなくっちゃ。今日は、ついていけそう!
 「多変量解析」何するものぞ! よろしくお願いします。)


土屋先生の最近のご研究は、《データの並べ替え》。

大学の講義のあと、出席カードを集めて番号順に並べ替え
出席簿に記入することが結構面倒な作業なので、効率のいい
数字の並べ替え方はないか、と考えたことが研究を始める
きっかけとなったそうです。

先生が持ち出されたのは①~⑩までの10枚のハートのトランプ。

これを正蔵さんに渡して、よくカードを切ってもらい
バラバラになった数字を①~⑩まで番号順に並べるやり方を
教えてもらいました。


正蔵さんが最初にめくったカードは⑤。

これをテーブルの中央に置いて、次々にめくったカードを、
テーブルの上に出ている数字より小さいものは、左に。
大きいものは、右に。

そして、テーブルの上に出ている数字より
1つ小さい数字が出たら、そのカードの上に重ねる(たとえば
⑤の次に④が出たら、④は⑤の上に重ねる)というやり方で
並べていくと、

テーブルの上には①③⑥⑦⑨というカードの山が5つできました。

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土屋先生は、このとき、

「私は、最初から山は5つになると予測してました。」と
おっしゃいました。

統計学的には10枚のカードをこのような並べ方で並べると
カードの山の数が4~7になる確率が非常に高いんだそうです。

(・・・・ここまでくると、先生、今日もまたわからなくなって
 きました)

とにかく、このできたカードの山を左から順に①の山を③の上に、
というやり方で①を上にして重ねていくと、アラ不思議①~⑩まで
ちゃんと順番に数字が並んでいます。

「このやり方だと、10個の場所にカードを並べていくより
 束ねる回数が減るので効率的です」と先生はおっしゃいました。


ちなみに、正蔵さんがめくった数字の順番は

⑤→②→④→⑩→⑧→⑨→③→①→⑥→⑦ です。

そして、正蔵さんがめくった数字の並び順は
[131万354通り]あるうちの1つだそうです。

あなたもトランプがあったら試してみて下さい。


土屋先生、結局、また今日も
キツネにつままれたような気持ちで終わってしまいました。

すみません。やっぱり「多変量解析」って、むずかしいです。


【今日の一曲】

クレア / ギルバート・オサリバン


番組日記 | 2010年12月19日 08:00

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