林家正蔵のサンデーユニバーシティ

文化放送

毎週日曜日7:30~8:00

2/27(日) "みんなで"環境に取り組む

鈴木弘孝先生は、長年、国営の公園作りに携わってこられた他、
1990年の大阪・花の万博(国際花と緑の博覧会)や
2005年の愛知万博の国際博覧会プロジェクト、また、
さいたま新都心への国の行政機関の移転プロジェクトなど
数々の大きなプロジェクトに参画してこられました。

そして、公務員としての最後の5年間は、建物を緑化することが
及ぼす環境改善効果について研究されました。

確かに、屋上に庭園を作ったり建物の壁面につる性の植物で
緑のカーテンを作ったりすると効果はあるんだそうです。

このところのヒートアイランド現象は、都市部から緑や水辺などの
自然を排除した結果なので、
できれば国や地方自治体が「公園緑地」を沢山作ればいいのだけど
それは財政的にも難しい。

都市部の土地の4分の3は民有地なので、個人の家庭や
民間企業などで、建物の屋上や壁面を緑化すれば
<効率的に都市を緑化することができる>
と先生はおっしゃいました。


最近では、自動車や家電、住宅、その他細々とした商品まで
エコ(ECO)という名前のつくものが沢山出てきて、環境に
対する関心は昔とは比べ物にならないほど高まっています。

鈴木先生や私が学生だった時代は、工場から出る排水は
川に垂れ流し。工場から出る煙も遠慮会釈なく空にモクモクと
放出され、トラックは黒い煙を吐いて走ってました。

公害が全国的に問題となったその頃と比べると、雲泥の差。

国民レベルで環境に対する関心や意識が高まっていて、
気がつかないうちに日本も<大人になったな>と思います。


鈴木先生は、

『環境は、今や、国(行政)が作って与える時代ではない。』

とおっしゃいました。

一般市民の意識や行動力が高まっているので、
公園作り1つとっても、計画の段階から"国"と"地域の人"と
一緒に話し合うことが大事だと。

≪もう、国から与えられる時代ではない≫

国も、企業も、個人も"みんなで"環境に取り組む。
なるほど。
(これは、環境以外の問題でも言えることかもしれません)

最後に

『都市を緑化する際に大事なことは、そこで生活していた
 野生生物と共存できる緑化、野生生物が生きやすい環境づくり
 なんですよ!』

と言われたことも心に残りました。

野生生物が生きやすい、ということは、人間が生きやすい環境
であることを忘れてはいけないんですよね。

先生、ありがとうございました。


【今日の一曲】

ルート66 / ジョージ・マハリス

 


番組日記 | 2011年2月27日 08:00

≪ 2/20(日) 『国営公園』って、どんなもの? | 番組日記 一覧 | 3/6(日) 世界に誇れる日本の"得意分野" ≫

Copyright © Nippon Cultural Broadcasting Inc.All right reserved.