林家正蔵のサンデーユニバーシティ

文化放送

毎週日曜日7:30~8:00

10月22日(日)どうもスミマセンの成り立ち

今週も、

城西国際大学 国際人文学部 特任教授、

東谷 仁(とうこく・ひとし)先生の授業。

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今回も、

各国からの留学生たちから問われる、日本に関する疑問のお話から。

まずは、

「日本人は、明治時代に着物文化を捨てたのか?」との質問。

散切り頭を叩いてみれば、文明開化の音がする、と歌われたように、

当時は、ちょんまげを切って洋風の髪型にし、洋服に着替えることが、

すなわち、日本にとっての近代化だったのであり、

着物を捨てたわけではないということ。

続いて、

「日本人は、ありがとうという時に、どうしてスミマセンと言う?」との質問。

日本語のスミマセンには、

声をかける意味と、ごめんなさいの意味、感謝の意味があり、

使い分けているということ。

いずれも、

白黒はっきりさせることなく、段階的な変化を好み、

他者を立て、へりくだる文化が浸透している、

日本を象徴する例と言えます。


そして、後半の主題は、

東谷先生から挙げられた歴史教育に関する問題点。

日本人の学生たちにとって、

日本史の基礎的学習が不足していることを痛感するのだそう。

理由は、日本史が高校では必修ではなく選択履修になっているからで、

文部科学省の新しい学習指導要領案では、

2022年度の入学生から、

高校で歴史総合が必修科目として新設される見込みとなっています。

自国の歴史を学びながら、

同時に、世界的、地球的視野で物事を捉える力を育むことは、

きっと、私たちが想像する以上に有効で、

歴史にかぎらず

縦軸横軸を自在に操ったモノの見方が培われることにも繋がるはず。


日本人も外国人も、

文明開化とスミマセンの成り立ちが、

より一層、理解できるようになり、

お互いに歩み寄るきっかけが増えるかも知れません。

                    石川真紀


番組日記 | 2017年10月22日 08:00

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