林家正蔵のサンデーユニバーシティ

文化放送

毎週日曜日7:30~8:00

12月21日(日)豊かな躾

今週は、

城西短期大学 ビジネス総合学科 教授、

蓼沼康子(たでぬま・やすこ)先生の授業でした。

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当番組でもおなじみ、蓼沼先生のご専門である

文化人類学、民俗学、社会学の中から、

今回は、伝統的な子育て・躾について解説していただきました。


衣服を縫製する際の ' しつけ糸 ' に由来し、

元々は、型にはめる、とか、動かさない、といった意味を持つ、躾。

Socialization = 社会に合わせるように子どもを育てていた古の時代から、

現在では、時代の変遷と共に子育ても多様化し、

こうすれば良いという画一的な常識が存在しなくなりました。


社会を営む上での規範がなくなったのは、

子育てに限ったことではありません。

正蔵師匠が仰っていたように、

子育ても、日々の暮らしも、迷いながら送るもの、というのは、

いつの時代も変わらない摂理で、

もしかしたら、この先も

劇的な変化なく繰り返されて行くものなのかも知れません。


大切なのは、心。

自由というものは、決して甘えが許容されることではなく、

人様に本質的な迷惑をかけず、

周りに理不尽な依存をせずに生活することが出来て初めて、

成立するもの。

欧米の先進国同様、

自分の権利・考えを主張し、議論することも、

確かに必要ですが、

多様な人たちと共存、共生、共有する為に、

相手の話をしっかりと聞き、

思いやり、

敬意を払い、

力のある人が、その力を弱い立場にある人の為に使う -

人の間で生きる上で必要な、こうした基本的なことは、

子ども時代に、その柔らかな心と周囲の大人がどう向き合ったか、

礎の部分が、どう築かれたかによって、

大きく変わってくるような気がしています。


豊かな心の持ち主は、

周りに豊かな心を増やすことが出来る -

私は、そう思っています。

                 石川真紀


番組日記 | 2014年12月21日 08:00

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