林家正蔵のサンデーユニバーシティ

文化放送

毎週日曜日7:30~8:00

3月19日(日)シーンとシーンの間に

今週は、

城西国際大学 メディア学部 客員助教、

北川篤也(きたがわ・あつや)先生の授業でした。

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現在、学生さんたちに、撮影現場における演出を指導されている北川先生。

作品全体を俯瞰し、

まだ撮影していない部分も含めて、

観客にどう伝わるかを想像しながら

1シーン、1シーンを撮影するには、

場面と場面の繋がりが大切なのだそう。

例えて、人の語り口と同様、と仰るように、

前置き、枕詞、前段の流れが、

次の展開にどう活きるのか、

文脈を生かすも殺すも、間、呼吸であることが理解できます。


そして、

フィルムからディジタルへと、記録・再生媒体が移行する中、

フィルムの時代、映画創成期ならではのエピソードも。

正蔵師匠がふらりと訪れた東京国立近代美術館フィルムセンターに所蔵されているのが、

1899年(明治32年)に製作された日本のサイレント映画「紅葉狩」。

日本人によって撮影された現存する最古の動画とされ、

重要文化財にも指定されている貴重なフィルムです。

撮影者も出演者も、

映画、活動写真というものを知らない、見たこともない当時、

主演の九代目 市川團十郎と五代目 尾上菊五郎が

戸惑いながら立ち居振る舞う様子が活き活きと記録されているそうです。


映画監督、映像クリエイター、指揮者、プロデューサー、

キャプテン、建築家、シェフ、パティシエ、造園家...

今でこそ、多様な職業が存在することを知り、

それぞれが生み出す作品・事象に触れる機会も増えましたが、

何を造り、誰に何を伝えたいのかという船頭の意思と、

全体の中の役割を、きちんと伝え、受け止め合う人間関係がなければ、

人の心を打つ作品には成り得ません。


創成期の苦難を想像する時、

先達が辿った革新・進化の歴史と、好奇心・向上心の逞しさに感服します。

                    石川真紀

【 ON AIR MUSIC 】
 
  Up! / Shania Twain


番組日記 | 2017年3月19日 08:00

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