林家正蔵のサンデーユニバーシティ

文化放送

毎週日曜日7:30~8:00

1月19日(日)精巧なカラダ

今週は、

城西国際大学 薬学部 教授、

堀江俊治(ほりえ・しゅんじ)先生の授業でした。

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先生のご専門は、薬理学。

中でも、

胃痛・腹痛・胸やけなどストレスに起因する諸症状について、

現在、ご研究中でいらっしゃいます。

今回は、鍵と鍵穴理論に象徴される薬の効き方について、

教えていただきました。


鍵 ( =薬 )が鍵穴( =体内の受容体 ) に入ることによって得られる現象が、

いわゆる、

' お薬が効いた ' という実感。

その分かりやすい例として、

モルヒネを引用して解説してくださいました。


かつては、' ドラッグ ' の印象が先行していましたが、

現在は、

終末期医療の臨床現場において、

痛みをコントロールし、

可能なかぎり通常の生活を送ることができるようにと処方される

鎮痛剤としての役目が広く認識されるようになりました。


このモルヒネによる効果・効能は、

フルマラソンや出産を経験された方などが感じる多幸感、

つまり、

β‐エンドルフィンが分泌された状態に似ていて、

脳内モルヒネと称されることがあります。

しかし、もともとは逆で、

私たちの体内には、

痛みや苦しさを凌ぐほどの多幸感を覚える鍵穴が生来備わっていて、

モルヒネを投与された場合、

その鍵穴に取り込まれ、痛みが鎮まるとのこと。

' 脳内モルヒネ ' と称されるβ‐エンドルフィンこそが、

本来の ' モルヒネ ' というわけです。


自分のカラダでありながら、まだまだ知らないことがいっぱい。

様々な外的要因や変化に対応できる潜在能力を秘めたカラダを、

もっと労わってあげたい ―

そう思います。

                 石川真紀


番組日記 | 2014年1月19日 08:00

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