林家正蔵のサンデーユニバーシティ

文化放送

毎週日曜日7:30~8:00

6月29日(日)懸け橋たる瓦

今週も、

城西大学 経営学部 助教、

石井龍太(いしい・りょうた)先生の授業。

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今回は、

先生お手製の琉球王国時代の門の模型にまつわるお話から。

普段は、那覇市立壺屋焼物博物館に置かれている一品ながら、

今回、たまたま修理の為、里帰りしているとのことで、

スタジオにお持ちくださいました。

時は19世紀中頃。

当時、首里城の近くにあった門を35分の1の縮尺で復元した物で、

門を入ると王子(皇太子)の住むお屋敷・

中城御殿(なかぐすくうどぅん)が構えていました。

当時、琉球で使用されていた赤瓦は、

王宮や一部の貴族層の邸宅のみで葺かれていましたが、

中城御殿の瓦は、赤一色ではなく、

濃淡の灰色や、紺色、白っぽい色などが混ざったマーブル調だったことが、

史料から明らかになっているとのこと。

刑事に当たる筑佐事(チクサジ)が書き記し、提出していた報告書も、

歴史的背景を今に伝える貴重な資料となっているのだそうです。


石井先生曰く、

瓦の特徴のひとつは、戦火などで焼失してしまわないかぎり、

1000年以上経過しても、使用できるということ。

沖縄で、今もオリジナルの瓦が残っているのは、

離島の古民家や久米島の廟などのほか、

奈良の大和瓦(飛鳥瓦)も、多く現存しているとのことです。


元々は、

中国から韓半島(朝鮮半島)経由で日本へ伝来した、瓦。

多様な文化を通じて影響を与え合い、

工夫を重ねながら共有し合ってきた悠久の歴史に思いを馳せる時、

国・地域という行政区分を超えて

同じ時代を共に生きることの尊さへと、思いは至ります。

                 石川真紀

【 ON AIR MUSIC 】
 
  My Life / Billy Joel


番組日記 | 2014年6月29日 08:00

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