林家正蔵のサンデーユニバーシティ

文化放送

毎週日曜日7:30~8:00

6月22日(日)強さと、儚さと

今週は、

城西大学 経営学部 助教、

石井龍太(いしい・りょうた)先生の授業でした。

 20140622-1.jpg

 

 

 

 

 

 

 

 

 

先生のご専門は、瓦からみる歴史、主に琉球文化。

関心をもつようになった最初のきっかけは、

意外にも怪獣映画とのことですが、

学生時代にアルバイトで経験された首里城の発掘調査や、

学び舎だった東京大学赤門の丸瓦など、

まさに導かれるようにしてライフワークとの邂逅を果たした、

ドラマティックな半生とお見受けします。


かのモース博士が「屋根を見れば、何者かが分かる」と表現したように、

瓦は元来、

主が経済的に裕福で社会的地位がしっかりしていることを示し、

家紋によって、

使う者のパーソナリティを展示するものでもあったのだそうです。

他方、実力以上に誇示する見栄張りの文化があったり、

身分によって、その使用を制限し、

民衆が憧れるよう演出していた面も存在していたとのことで、

瓦とは、

機能的な強靭さと、形而上の儚さとを併せ持たされた

象徴という気がしてきます。

 

原型を留めず、破片となってしまった瓦を見ただけで、

どんな焼成方法で作られ、どの地方で使われたのか、

判別することができるという石井先生。

史料を通じて、時空を超えた対話を続ける学問の素晴らしさと無限に、

惹き込まれるひとときです。

                 石川真紀


番組日記 | 2014年6月22日 08:00

≪ 6月15日(日)グローバル化を目指す同志 | 番組日記 一覧 | 6月29日(日)懸け橋たる瓦 ≫

Copyright © Nippon Cultural Broadcasting Inc.All right reserved.