林家正蔵のサンデーユニバーシティ

文化放送

毎週日曜日7:30~8:00

12月3日(日)ページをめくる

今週も、

城西国際大学 メディア学部 准教授、

中尾玲一(なかお・れいいち)先生の授業。

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リアルな書店とヴァーチャルなネット販売が並立、対立する現代、

新たな文化発信の形を模索する動きが加速しています。

書店が文化ステーションとして存続するには、

専門書店としての存在意義を強化したり、

カフェや雑貨店とのコラボレーションを進めることが

解の1つになっていると、

先生は仰います。


近頃、本と触れていて感じるのが、

その本と出会った動機と、

読後に続く感動の深さが比例するということ。

学校時代の課題図書のように、

日々の業務の上で、必要に迫られて出会う本には、

限られた時間の中で押し流されるように触れることしかできず、

結果として、

心に残るものが希薄になってしまいがちなのが現状ですが、

導かれるように出会い、能動的に読み進めた本は、

心の深い部分に刻み込まれ、

時が経つほど、ふとした瞬間に、

登場人物や筆者が発した言葉や、心象風景が思い起こされるもの。

後者のような本との出会いは、

リアルな書店であってもヴァーチャルなネット販売であっても、

自分で呼び寄せることが可能で、

つまるところ、

翻弄されることなく、自ら使いこなす自我と意思の強さが、

ネット社会を生きる鍵になる気がしています。


表音文字で構成される欧米の言語に比べて、

平仮名、片仮名、漢字が混在する日本語は

電子書籍の再現性が低く、

その分、想像性が高いとのこと。

とは言え、

いずれは、電子書籍の世界でも、日本語が標準化される時代が訪れることを想定し、

それまでの幾ばくかの時間は、

時代の移り変わりをじっくり眺めつつ、

ページをめくっていようと思います。

                      石川真紀


番組日記 | 2017年12月 3日 08:00

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