終わりよければ・・・(放送終了)

6月2日~6月6日の「ラジオバイオグラフィー5冊のアルバム」のゲストは若村麻由美さん

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6月2日(月) 「子供の頃の話」
東京都生まれの若村麻由美さんは、仮面ライダーごっこやチャンバラが好きな、とても活発な子供でした。ヤンチャというよりもワンパクだったと笑いながら当時を振り返る若村さんです。
日本舞踊のお稽古が大好きという女らしさもあった若村さんは、思春期を迎えてだんだんワンパクな女の子では無くなっていきます。小4で初めてフレアスカートを履いた日の事を良く覚えていると話してくれた若村さんでしたが、高校に入学したときには人の前に立つことを一切しないと決めてその通りに実行をしました。最小限の挨拶だけ、一日中誰とも話さない日もあったと、若村さんは当時を振り返って話してくれました。

6月3日(火) 「無名塾合格」
意図して人との接触を避けていた若村さんですが、だんだん本当に人との会話が苦手になってきていました。そんなある日、偶然渋谷で無名塾の公演に出会います。「この空間を作りたい!」と思った若村さんは一週間後には入塾試験を受けていました。
宮崎恭子(やすこ)さんの演技に惹かれて受けた試験だったので、審査員席に座る宮崎さんを見た若村さんは思わず真っ赤になってしまったのだそうです。最終審査は3日間、それまでの人生で教わってきたことと同じぐらいの事をこの時に教わったと若村さんは話してくれました。審査が終わった日には泣き出してしまったそうですが、それでも無事合格、人生を変えた瞬間でした。

6月4日(水) 「はっさい先生でデビュー/ヒマラヤとの出会い」
無名塾に入塾した若村さんは、しばらくしてNHKの連続テレビ小説「はっさい先生」のオーディションに合格、ヒロインとなります。番組は大ヒット、だけれども無名塾は長期欠席、気が付いたら中退のような形で無名塾は卒業していたのだそうです。
はっさい先生の後、若村さんはいろいろな仕事をこなしていきますが、テレビドラマはどうも自分に合わないと感じていたのだそうです。そんな時に仲代さんの抜擢で無名塾の舞台に出演してほっと一息をついた若村さんでした。
そんな若村さんの人生観を変える出来事はNHKの仕事で行ったヒマラヤのトレッキングでした。尾てい骨に亀裂骨折があったのですが、負けたくないという子供のころから続くワンパクっ子の精神で頑張ったのだそうです。宇宙を映しているようなヒマラヤの空を見て「シンプルに生きよう」と心に決めて帰ってきましたが、現実は難しいと若村さんは笑います。

6月5日(木) 「富士山での清掃活動」
ヒマラヤで高度順化の為に三日間歩き回っていた時、文明的なゴミが落ちているのを見つけた若村さんは、大自然にふさわしくないと感じて思わずそれらを拾い集めていました。
ヒマラヤから帰ってきた若村さんは改めて日本の富士山の美しさに気が付きます。でもアルピニストの野口さんにその話をしたところ、富士山にもゴミが多いという話を訊かされ、若村さんは富士山の清掃活動に加わります。最近はゴミが溜まる場所もわかるようになり、古いゴミを見るとその時代も感じられると、若村さんは楽しそうに話してくれました。富士山から見る日の出は格別ですが、気持ちの上では毎日が初日の出だと若村さんは言います。思わず手を合わせる気持ちは自然なもの、拝むことで幸せを感じると話してくれました。

6月6日(金)「今後について」
若村麻由美さんの趣味はそば打ち。子供の頃、信州で暮らした時に食べた美味しいそばを作りたくてやっているのだそうです。本当はそばと日本酒といきたいのだけれど、実はお酒が飲めない、この事を話した時の相手の反応が面白いと若村さんは笑って話してくれました。
もうひとつの趣味は散歩、食事の後、1時間ぐらいは歩いて帰る若村さんです。
今週から始まる舞台は3人芝居、そしてこれが終わってからは平家物語の二人芝居と古事記の独り舞台と、この後も公演が続きます。今はこれに全力を掛けていると楽しそうに話す若村さんでした。

<プロフィール>
無名塾出身。NHK連続テレビ小説「はっさい先生」でヒロインとしてデビュー。エランドール新人賞を皮切りに、数々の賞を受賞。近年作では、ドラマ「夜桜お染」「白い巨塔」「けものみち」「刺客請負人」映画「蒼き狼~地果て海尽きるまで」舞台「平家物語の夕べ」「カリギュラ」など他多数出演。ヒマラヤトレッキングをきっかけに水文化委員(国土庁)や富士山清掃隊長を務めるなど自然環境への活動も10年目を迎える。