終わりよければ・・・(放送終了)

2月15日~2月19日の「ラジオ サロン・de・くにまる」のゲストは石川さゆりさん

ishikawa_kunimaru.jpg

2月15日(月)「転がる石」
歌手の石川さゆりさんが一番お付き合いが長かった作詞家が阿久悠さん。さゆりさんが唯一、先生と呼ぶ方です。
時代をはぎ取るように詩を書く人なのだそうですが、その阿久悠さんがはじめて御自身の事を書かれたのが「転がる石」。アルバムの曲を御願いしたらプラスアルファの形で阿久悠さんの自伝の様な詩があり、さゆりさんはこれを唄う事としました。長い歌手生活を一緒に過ごした阿久悠さんの人生が詰まった一曲を御紹介します。

2月16日(火)「吉岡治さんの思い出」
石川さゆりさんのイメージを大きく変えた曲、それが「天城越え」。カラオケが流行り始めたので、わざとカラオケで歌いにくい歌を作ろうと、そして、紅白のトリをとれるような曲にしようとして、伊豆に泊まり込んで作った曲です。出足は悪かったけれど紅白で歌った後に流れが変わった、この時、大事な事を教えられましたとさゆりさんは話します。
天城越えの作詞をした吉岡治さんが最後にさゆりさんに託したのが「もういいかい」。この曲はさゆりさんの一番の宝物なのだそうです。

2月17日(水)「なかにし礼さんの詩」
富山のおわら風の盆を舞台にした石川さゆりさんの歌が、風の盆恋歌。最初はもっと明るい歌が用意されていたのですが、離婚したばかりのさゆりさんは別の歌をとお願いして、この歌を書いてもらいます。自分の生活もここから変わっていくという気もちでさゆりさんはこの曲を歌ったのだそうです。
風の盆恋歌を作詞したなかにし礼さんには、最近も詞を書いてもらいました。それが浜唄。東日本大震災の後、東松島で地元の浜甚句の話を聴いたさゆりさんが頼みこんだのだそうです。とても力強い、浜甚句をお聴きください。

2月18日(木)「ルパン三世」 
テレビアニメ・ルパン三世の新シリーズのエンディングテーマも石川さゆりさんは歌っています。津軽海峡冬景色の誕生と同じ年に始まったアニメのルパン三世に親しみを感じつつも、どう歌ったらいいかな?とさゆりさんは考え、不二子ちゃんになりきるという答えを出しました。
歌は限りなく自由だからいろんな世界を楽しみたいと話すさゆりさん、レコーディングに臨むときは、全スタッフがその場にいないとダメなのだそうです。その理由は・・・・。いつも前向きなさゆりさんです。

2月19日(金)「最新シングル 女人荒野」
石川さゆりさんには娘さんが一人。最近は良く一緒に旅行に行っているのだそうです。温泉上がりで一緒に飲むお酒で幸せを感じると話すさゆりさんは、昨年末に、娘さんがおせちの作り方を訊いてきたのがとても嬉しかったのだそうです。
今年も新曲を発表しました。さゆりさんの歌としては王道ともいえる楽曲です。前半はテンポを気にせず語るように歌ってほしいと話すさゆりさんにとって、このCDはなんと118枚目のシングルです。
来年歌手生活45周年になる石川さゆりさんに今の気持ちを伺うと、生きている事は作り続ける事、出合いもあれば誕生もある、それが楽しみと話してくれました。

<プロフィール>
熊本県出身。1973年、『かくれんぼ』でデビュー。1977年に『津軽海峡・冬景色』『能登半島』が大ヒットし、日本を代表する演歌歌手の一人となる。FNS歌謡祭音楽大賞、日本有線大賞、日本レコード大賞他数多くの賞を受賞。NHK『紅白歌合戦』でも常連となり、トリを務めるなど、日本歌謡界随一の実力を誇る演歌歌手。主な作品に、シングル『天城越え』『波止場しぐれ』『風の盆恋歌』など。

----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
そして、今週はSPウィークということで、「ラジオ サロンdeくにまる 特別編」もあります!ゲストは、伊勢正三さん。 ise_kunimaru.jpg

2月15日(月)「かぐや姫時代」
伊勢正三さんと言えばかぐや姫、そのかぐや姫の大ヒット曲と言えば神田川。そろそろシングルヒットが欲しいと思っていた頃に、喜多条忠さんが作った詩に南こうせつさんが曲を付けたものです。
神田川の成功を受けて、"南こうせつとかぐや姫"というグループ名が"かぐや姫"になった頃、正三さんにも曲をつくって欲しいという話が来ました。でも、サビは出来上がったものの全体が出来上がらず"なごり雪"で正三さんは苦労をしたそうです。歌詞カードには何故かこの曲の歌詞がありませんでしたがそれは・・・、当時の制作事情によるものです。

2月16日(火)「22歳の別れ」
なごり雪レコーディングの終わった日、伊勢正三さんは昂揚感からつい明日までにもう一曲書けそうだと言ってしまいます。でも無事に翌朝5時頃、名曲「22歳の別れ」が完成しました。ちょっとあざといぐらいの部分もあるけれど変則小節も取り入れたりしている、何の知識も無かったのが逆に良かったと話す正三さんです。
この22歳の別れはなぜか、かぐや姫ではなく風のシングルとして発売されます。そこには微妙な事情がありました。

2月17日(水)「風」
かぐや姫解散後、伊勢正三さんは大久保一久さんとフォークデュオ、風を結成します。風の活動期間を訊かれた伊勢さんは、きちんとした結成も解散もしていないのでよくわからない、風の様なグループだと答えてくれました。
風のヒット曲は"ささやかなこの人生"。24歳で人生を語ってしまった、今思うと甘かったと正三さんは話します。ところで、風の曲には一つの特徴があります。それはシングルカットされた曲が全くアルバムに入っていない事なのだそうです。

2月18日(木)「雨の物語」
伊勢正三さんには、"昔の歌は歌いたくない"という時期がありました。ボサノバ調雨の物語やサルサなごり雪などまであって、今思うとお客さんに失礼な事をした、歌手としての意識が無かったからだろうかと話す正三さんです。
最近出した正三さんのセルフカバーアルバムには、雨の物語が入っています。もともとイルカさんのために作った曲です。セルフカバーを唄う事の感想を訊いてみると、若い頃の自分に教えられる、だからとても真剣に歌うようにしているとの事、昔とは変わった伊勢正三さんです。

2月19日(金)「君と歩いた青春」 
伊勢正三さんはいろいろな人に曲を提供していますが、太田裕美さんの「木綿のハンカチーフ」もその一つ。忙しかったのでアルバム用に用意した中のどれでも良いよと言ったら、えらい気前の良い人なんだろうと思われた当時を思い出す正三さんです。
インタビューアの野村邦丸にとって、学生時代一番の思い出の曲は「君と歩いた青春」。君はなぜ?というフレーズを聞くと涙が出てしまうと話すと、正三さんも同じ思いがあってライブで途中が歌えなくなると話してくれました。

<プロフィール>
1951年11月13日、大分県津久見市生まれ。
71年にフォーク・トリオ"かぐや姫"の一員としてデビュー。
「神田川」などの大ヒットでフォーク・ブームの一翼を担うが、75年に解散。
その後、フォーク・デュオ"風"を結成。
優しい歌声と叙情あふれるメロディで「22才の別れ」「あの唄はもう唄わないのですか」などのヒットを放つ一方、ソロとしても「なごり雪」をヒットさせた。