文化放送

番組紹介

土曜朝ワイド「ハピリー」パーソナリティを務めた玉川美沙が心機一転、新たに取組む音楽プログラム~「玉川美沙 MUSIC SELECTION」。毎週、様々な角度から特定のテーマを設定し、テーマにこだわったMUSIC SELECTIONをお届けします。玉川美沙自らが選曲に係わり、選曲した1曲1曲に込められた「想い」や「背景」を紹介していきます。 さらに、月1回のスペシャル企画としてピアニストであり作曲家の宮川彬良先生に出演頂き、毎回特定の切り口で「音楽」の楽しさや奥深さ、また時にはミステリアスさを、実演を交えて検証する“スペシャル”な放送に取組んでいきたいと考えます。

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    2018年3月25日

    3/24 Radio Koguuu! レポート!

    レーシングドライバー、登山家、自転車大好き! 片山右京さんの登場です。


     
    右京)おはようございます。


    玉)おはようございます。


    右京)"自転車を通じて"というコンセプトのはずなんですけど先週の北極からは約南極にもいかなくてはいけないね。


    玉)全然自転車出てこないですね(笑)


    右京)先週は初めての海外が北極というところから始まって18年間行き続けているという。


    玉)北極と南極しか行っていないとおっしゃっていましたね。


    右京)それを楽しそうに話しているから、まずは冒険していたらピンチとか困難は絶対あったと思うんですよ。だから今週はそこから聞きたいですね。


    玉)今月のゲストは北極冒険家「荻田泰永」さんです。


    荻田)よろしくお願いします!


    右京)ただいるだけでも命の危険にあると思うんですけど、その中でも「これはヤバかった」というものはありますか?


    荻田)一番今までの中で危なかったことですか。なんだろう、、、例えば白熊にテントを揺らされるくらいのことは何回かあるんですけど。


    右京)白熊にテント揺らされるということが"その位"のこと?(笑)銃とかは持っているの?


    荻田)クマが多い所を歩くときは持っています。でも威嚇の物なので直接撃ったことはないです。歩いている間に出会うことは30回くらいはありますし、テントを揺らされることもありますけどそんなに危ない状況ではないですね。追い払ったら逃げて行ってくれますから。


    右京)たまたま優しかったり警戒心の強い熊なだけで、オラオラ系のクマもいるんじゃないの?


    荻田)オラオラ系ももちろんいますね(笑)


    玉)基本的にクマは見たことのないものに対する好奇心で「何だろうこれ?」と思ってくる感じですよね。


    右京)腹減って肉食系の体の大きいクマとかいるでしょ。


    荻田)身体の大きい雄のクマは何も怖いものがなくて自分が"キング"だと思っているので全然逃げないんですよ。そういうのも音だけじゃなく視覚的に驚かせたりしてなんとか追い払うんですよ。


    玉)でもそれが一番ではないんですね。


    荻田)クマではなくて自分の中で一番危なかったのは、今から11年前の2007年に一人でカナダの北極圏で村と村を1000キロ歩く予定でど真ん中の500キロ歩いたところで自分のミスでキャンプ中にテントの中で火事を起こしてしまったんです。結構極地だとありがちなんですけど、テントの中で使うコンロの燃料がホワイトガソリンというガソリンなんですよ。完全に自分のミスでそれをこぼしてしまったんです。それは疲れとか慢心とかで油断してしまったんですけど、テントの中が一気に火の海になってしまって急いで外に出て、燃えているものを外に出してたけどその間にもテントは燃えてしまっていて頑張って消しました。半分位荷物が燃えてしまっていて、気がついたら手がごわごわしたんですね。手を見たら完全に手をやけどしていました。まだそのやけどの跡が残っています。


    右京)うわぁ、、、本当だ。


    荻田)半径500キロに人がいなくて、手が使えなくて、テントも燃えてしまってない状態でした。結果的には通信機器が無事だったので出発の村に連絡して飛行機で救助してもらう要請をしました。


    玉)来てもらってピックアップですね。


    荻田)夕方に夜ご飯を食べた後に事件が起きたので、あと2時間くらいで日没になるし飛行機が来てもあたりが真っ暗だったら降りれないかもしれないとか色々な状況が重なったんですけど、すごいラッキーなことにその日のうちにピックアップしてもらえて救助されました。それって結局は自分のミスなんですよね。北極は白熊もそうですし、海の上にあるので氷が薄くて落ちてしまう危険性もあるんですけどやっぱり一番怖いのは自分のミスなんですよ。


    右京)なるほどね。


    荻田)敵は自分の中にいて、たとえて言うと"地雷原を歩いている"ようなもので、自分が歩いているところにたくさん地雷があるような状況で、経験のないうちはあからさまに剥き出しの地雷を踏んでしまうときもあるんですよ(笑)「なんでそれ踏むの?」というような簡単なミスをしてしまうんですけど、経験を積むとどんなに綺麗に隠された地雷にも気ずくことができるんです。はたから見ていると平気で歩いているかもしれないけどそこにはリスクがたくさん埋まっていて、それを爆発させるのか回避するのかは自分の問題なんですよね。


    玉)それは経験?


    荻田)経験もあるし、知識もあるし、装備もあるし、事前の予測もあるしすべてそこに基づいています。


    玉)スポーツと違うのは、北極でも南極でもそこに行かないとその環境の訓練ができないわけじゃないですか。ということは毎回実践であり次のための訓練でもあるということになるわけですよね。


    荻田)そういう面は大きいですね。


    右京)本当だったら普通の町の中でもそういう地雷とか落とし穴とかあるんだけど、たぶん平和ボケしていると言ったらだめだけどみんな落っこちたり、踏んでいると思う。だけど荻田さんは命がかかっているから、そういう経験をして伝えてくれている人もいるしね。無謀なことをやりに行っているわけではなくて、冒険をしに行っているわけだからそれでも通信機器がとかほかのリスクもあるから聞いているだけでゾクッとするね。


    荻田)都会だとリスクの種類が多いじゃないですか?通り間に合うかもしれない、暴走車が来るかもしれない、物が落ちてくるかもしれない、地震が起きるかもとか種類は多いけど一つ一つのインパクトが小さいんですよ。ただ北極の場合は一個一個の種類は少ないけどインパクトがデカいんですよ。それを正確に見極めて踏まないように、ただ排除してしまうと面白くないんですよ。排除してしまうと冒険ではなくなってしますのでそこにリスクがあることが大事で、リスクを楽しむべきではないですけどリスクはあるうえで向き合ってそこは踏まないという一歩に意味があるのかなと思います。


    右京)そうやって大切なものが見つかったり人間本来の能力が引き出される。確率が低いから上から物が落ちてくるリスクが少ないと思われるかもしれないけど、本当はあるんだからその動物的な感を町の中でも出していきたいね。


    荻田)そうですね。北極に行くと五感がものすごく鋭くなるんですけど、僕の場合は聴力が異常によくなるんです。例えばホッキョクグマが近づいてくる気配がわかるんですけどそれって第六感ではなくて五感だと思うんです。私の場合は側頭部にものすごく感じるのでクマがどっちからくるとか物理的に考えたらそんなのは聞こえるわけがないんですけど、なんとなくわかるんです。


    右京)北極の音なんて風の音と自分が氷を踏む音しか聞こえなそうだよね。


    荻田)聞こえるというよりも感じるっていう感じですよね。例えば飼っているチワワが家の中を走り回っているんだけど急に立ち止まって耳をピクピクさせると玄関のチャイムが鳴るってあるじゃないですか?それはこのチワワが超能力者なのではなくてちゃんと聞こえているっていうことですよね。でも我々が聞こえないのは人間だからではなくて、実はその力があるはずなんですよ。都会だと使えないというかそんな能力を使ってしまったら隣の家の会話も聞こえてしまいますし、あえて鈍らせているこそ80年も生きられるんだと思うんですよ。


    玉)人間の脳とかって80%くらいしか使っていないと言いますもんね。


    荻田)全然使っていないと思いますよ。


    玉)それ北極にいる間は最大限にまで引き上げているってことですよね。


    荻田)何度も行っていると勝手にスイッチが入るんですよ。誰でもスイッチが入るはずなんだけど錆びてしまうんですね。私も初めて行ったときは錆びていたけど何度も行くうちに勝手にスイッチが入るようになっていました。


    右京)山を登っていても雪でなんかにおいがするの。足元で踏んだ経験値でおかしいとか気づくのこれは六感じゃなくて五感だとおもう。そうすると雪崩が起きたりするの。でも都会でコンピューターの前とかで作業していると錆びてくるんですよ(笑)


    荻田)そうですね。そういう状態を知っている人が右京さんだと思うんです。知っていて都会にいて錆びていると思うと山に行きたくなっちゃうんですよ。


    玉)そっか!だからたまに右京さん山に行きたいとかいうんだ!


    右京)さっきも実は「南極行きたい」って言ってたしね(笑)


    玉)「疲れた。山に行きたい」って言うのもそれなんですね!


    荻田)自分が研ぎ澄まされた状態を知っている人はそうなりますよね。


    右京)一人しかいないのに寂しくないんだよね。


    荻田)そうです。全然寂しくないですもんね。


    玉)そうやって北極ずっと歩いてきた方に来週伺うのは「南極点無補給単独徒歩到達」のお話し。


    右京)帰ってきたばっかりだもんね。


    玉)まだ2か月ですもんね。ぜひお聞かせください。
    今週もゲスト荻田泰永さん、片山右京さんありがとうございました。


    右京&荻田)ありがとうございました。




     
    番組では皆さんからの質問を受け付けています。
    自転車に関すること、健康やエコに関すること、チャレンジしたいこと、チャレンジしていること、右京さんに相談したいことなど何でもOKです。
    メールの方は、 tama@joqr.net
    ハガキの方は、〒105-8002 文化放送 【玉川美沙ハピリー Radio Koguuu】までどうぞ!
     
     
    今週の一曲 

    M  あしたのジョー    /  尾藤イサオ  

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